性的な用途
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/04/05 06:19 UTC 版)
オーガズムを得られなくなってしまう性機能障害である無オーガズム症や性的興奮障害などの問題についてマジックワンドが有効である可能性を探る学者は多い。1979年にカウンセリング・臨床心理学研究(Journal of Consulting and Clinical Psychology)では、これまでオーガズムを経験することが困難だった女性を対象に、1人でマスターベーションをする技術訓練療法の分析を行っている。研究者は女性にマジックワンドを使ってクリトリスを刺激させることで、オーガズムを経験する可能性を上げようとした。その結果、この研究ではオーガズムを得るという重要な問題に取り組むためにはマジックワンドを使った自己管理型の治療が最も効果的な選択肢であるということがわかった。 2008年、サイエンティフィック・ワールド・ジャーナルにオーガズムの経験に長期的な障害を抱えた女性が、ベティ・ドッドソンを参考文献にして指導を受けた結果の分析を掲載している。それによると、マジックワンドの大きめのヘッドが、わずかな不快感もなくクリトリスと外陰部周辺に振動を感じるために有効であった。研究の結果、長期的な無オーガズム症の女性500人のグループのうち93パーセント以上がマジックワンドとベティ・ドッドソン・メソッドを使ってオーガズムに達することができた。サイエンティフィック・ワールド・ジャーナルの研究は、その後2010年に出た性科学研究(Journal of Sexual Medicine)で文献レビューを受けている。2011年にはバット・シェヴァ・マーカスが性科学研究に、性的に経験することのレベルを上げ、性に対する期待がどう変わったかを評価するための手段としてマジックワンドを女性に使わせる研究を発表している。 『Pleasure Able: Sexual Device Manual for Persons with Disabilities』において、作家のケイト・ナフタリと障害者福祉研究ネットワーク(Disabilities Health Research Network)のエディス・マクハッティは、医師のアンドレイ・クラシウコフとステイシー・エリオットの監修のもと、障害を持った人が性行為にマジックワンドを使うことを推奨している。もちろん著者たちは、この器具を持っている人は、行為のあいだ余裕をもって掴んで動かせる状態を維持しなければならないだろうと述べている。それでもマジックワンドは両腕に十分な力がはいらなかったり、手が自由に使えない人にも役立つという。また、両腕の動きが制限される人にも向いていると述べられている。 人間とコンピュータの相互作用研究の国際会議Conference on Human Factors in Computing Systemsに収録された2011年の論文で、アンナ・イーグリンとショーエン・バーゼルは、性行為という本来の目的とは異なる文脈で使われているマジックワンドについて論じている。2012年のSexual and Relationship Therapyでは、性的な刺激を与える臨床治療において7つのバイブレーターの評価を行う論文が掲載された。著者たちによれば、マジックワンドは動作と振動の面で高い評価が与えられる。またこのデータをセラピストが利用することで、患者に刺激だけでなく感受性を与える最適なバイブレーターを選べるのではないかと述べてもいる。
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