性的な儀式と薬物
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/04 14:14 UTC 版)
こんにち、研究者の間でヴァイキング社会では多産さが極めて重要であったことが一般に認められている。そうした儀式があった証明するものとして最も知られるものは、20世紀初頭にスウェーデンのレッリンゲ(Rällinge)で発見された男根崇拝の小像である。この小像の外見は豊作を願う儀式と関連していたことを示していて、像はフレイヤの兄フレイとするのが通例である 。ブレーメンのアダムはウプサラの神殿の勃起した男根を持つフレイの像と、儀式の間に歌われた淫らな歌について述べている。「ヴェルシの話」では、馬の陰茎が多神教の家族によって、どのように崇拝されたかについての記述があり、これは古いインド・アーリア人の生贄の儀式との関連を示す報告である。 出土した杖のいくつかは糸巻き棒ではなくファルスを表したように見えるものがあり、さらに古代北欧の社会では、魔術を行うことは性的特質と密接に関連している。「ロキの口論」では、ロキはセイズに関心を示し、オーディンがエルギ(英語版)の状態にあったことを非難する描写があるが、これはオーディンが女々しくも性交における「女性的」役割を受け入れたと見抜かれたと考えられる。早くも1902年には(あえて自身の名で出版しなかった)匿名のドイツの研究者が、セイズがセックスとどのように関連するかを著述した。彼は杖が男根象徴であることは疑いようがなく、さもなければこれが魔法が男性にとってタブーとみなされる理由なのだろう論じた。魔法の実践には性的な儀式が含まれていた可能性がある。1920年には男性の魔法使い、すらりのログンヴァルド(Ragnvald Rettilbein)の名前についての注釈があり、それによれば rettilbein は「まっすぐなペニス」を意味する。 ヴォルヴァは誘惑術で知られていて、それが彼女らを危険だと考える理由の1つだった。「ハヴァマール」のスタンザの1つでは魔法に精通した女性と性交渉を持つことに対して警告している。なぜなら魔法の枷に捕らえられる危険性があり、病気になる危険を冒すことになるからだという。フレイヤはセイズの女司祭であり、性的に自由奔放であったため、特定の神話では悪評が立てられた。 男性を誘惑する手段の1つが薬物の使用だった。フュアカトのヴォルヴァの墓で幻覚を引き起こすだけでなく、強力な媚薬にもなり得るヒヨスが使われたことが明らかになっている。もしもフレイヤがアースガルズで愛の女神であるなら、ヴォルヴァもミズガルズで同じ役割を担っただろう。
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