忘れられないの/モスとは? わかりやすく解説

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忘れられないの/モス

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/11/07 14:26 UTC 版)

「忘れられないの/モス」
サカナクションシングル
初出アルバム『834.194
A面 忘れられないの
モス
リリース
規格 8センチCD
レーベル NF Records
作詞・作曲 山口一郎
チャート最高順位
  • 週間7位(オリコン
  • 週間4位(Billboard Japan Download Songs)

2019年度 (Billboard JAPAN)

  • 年間75位 (HOT 100)[1]
  • 年間79位 (Download Songs)[2]
  • 年間60位 (Streaming Songs)[3]
サカナクション シングル 年表
多分、風。
(2016年)
忘れられないの/モス
2019年
プラトー
(2021年)
834.194 収録曲
ミュージックビデオ
「忘れられないの」 - YouTube
「モス」 - YouTube
EANコード
EAN 4988002792610[4]
テンプレートを表示

忘れられないの/モス』(わすれられないの/モス)は、サカナクションの13枚目のシングル2019年8月21日NF Recordsからリリースされた。 前作『多分、風。』から2年10か月ぶりのシングルである本作はアルバム『834.194』からのリカットシングルであると同時に、バンドとしては初となる8センチCDシングルである。両A面シングルとしては『さよならはエモーション/蓮の花』以来のリリースとなる。

背景とリリース

収録曲である「忘れられないの」および「モス」は1980年代の音楽・カルチャーに大きく影響を受けており、当時普及し始めていた8センチCDでのリリースに至った。パッケージも当時と同じ縦型の形状で、当時の流行にならい、両曲のカラオケバージョンも収録される[5]。リミックスを除き、もともとボーカルが収録されている曲のオフヴォーカル版が収録されるのは11枚目のシングル『新宝島』以来となる。

当初、本作は8センチCD用の部材や工場での生産数量の制約から1万枚限定でのリリースの予定であった。しかし、本作のリリースが発表されるとすぐに予約が殺到したため、生産体制の調整を行い、追加生産が行われることとなった[6]

「忘れられないの」は、ソフトバンクの「SoftBank Music Project」シリーズの第6弾として制作された楽曲であり、同社のテレビCM「速度制限マン」篇のテーマソングに使われているほか、ボーカルの山口一郎も出演している[7][8]。 山口はソフトバンクとコラボレーションした時の印象について「プランナーさんや監督さんと映像の内容から一緒に考えて作り上げられたので、そういったケースは珍しいし、非常にやりやすかったです。いいものを作りたいという強い気持ちが伝わってきたのでいい会社なんだな、と思いました」とインタビューで話している[9]

もう一つの収録曲である「モス」はフジテレビ系列木曜劇場ルパンの娘』主題歌となった[10]ほか、『櫻井・有吉 THE夜会』(2024年10月のリニューアル以降から)・『クイズ!オンリー1』(いずれもTBSテレビ)のテーマソングとして、ラジオ番組では『水溜りボンドのオールナイトニッポン0(ZERO)』(ニッポン放送)のテーマ曲や『金村義明のええかげんにせえ〜!』(MBSラジオ)のCM前後のジングルとしても使用された。 さらに、プロ野球中日ドラゴンズ根尾昂投手が自身の登場曲として使用している。

音楽性と歌詞

収録曲である「忘れられないの」および「モス」はいずれも、1980年代の音楽・カルチャーに大きく影響を受けた作風となっている。

「忘れられないの」について、山口は松任谷由実との出会いに触発されてこの楽曲を制作したとラジオ番組『サカナLOCKS!』2019年6月14日放送分で明らかにしており、AORをはじめとする80年代の音楽と現代の音楽を組み合わせて制作したと語っている[11]。 同楽曲の歌詞は上京をテーマとしており、山口は「150パターンもの歌詞を書いた中で、115番目に選ばれた歌詞となっています」と、CMに出演した広瀬すずとの対談との中で振り返っている[12]

「モス」について、山口は外部に向けて発信するために作曲したと『サカナLOCKS!』2019年6月14日放送分で明かしている[13][11]。 本楽曲は彼らの青春時代に影響を与えたC-C-Bトーキング・ヘッズと山本リンダを合わせたらどうなるのかという実験作でもあり、結果としてイントロのフレーズが『狙いうち』のようになってしまったと山口は振り返っている[13]。 また、山口は同楽曲に影響を与えたバンドとしてクラクソンズブロックパーティーといったイギリスインディー・ロックを挙げている[13]

ライターの青木優はラジオにおける山口の発言を分析し、イントロやファルセットのきいたコーラスがC-C-Bの影響を受けているのではないかと推測し、躍動するリズムに合わせて繰り返されるフレーズは、トーキング・ヘッズの「ワンス・イン・ア・ライフタイム」(『リメイン・イン・ライト』収録)あたりから間接的に影響を受けているのではないかとみている[13]。 また、青木はビートや鋭いギターサウンドはUKインディーシーンからの影響ではないかと推測している[13]。 一方で、青木は山口がラジオで言及しなかった部分についても推測しており、本楽曲のフレーズはクイーンの「バック・チャット」や田原俊彦の「シャワーな気分」を思わせるとしている[13]

「モス」は、当初「皆が好むものではなく、自分の中にある本当に好きな物」という意味から「マイノリティ」というタイトルを付けられたものの、社会的少数者など別の意味にもとれてしまうことから、を意味する「モス」というタイトルに変更された[11]

収録曲

8cmCD
# タイトル 作詞 作曲 編曲 録音・ミックス 時間
1. 「忘れられないの」 山口一郎 山口一郎 サカナクション 浦本雅史
2. 「モス」 山口一郎 山口一郎 サカナクション 浦本雅史・吉井雅之(録音のみ)
3. 「忘れられないの (カラオケ)」   山口一郎 サカナクション 浦本雅史
4. 「モス (カラオケ)」   山口一郎 サカナクション 浦本雅史・吉井雅之(録音のみ)
合計時間:

解禁日と発売日一覧

国・地域 発売/発信元 発売日/解禁日 規格 規格品番/リクエストナンバー/備考
日本 ソフトバンク 2019年3月23日 (2019-03-23) テレビCM
テレビCM「速度制限マン」編[14]
N/A
JFNTOKYO FM
SCHOOL OF LOCK!
2019年5月24日 (2019-05-24) ラジオ・プレミア
忘れられないの(フル尺)[15][16]
2019年6月14日 (2019-06-14) ラジオ・プレミア
モス(フル尺)[11]
O.A.は2019年のサラウンドツアー最終公演の直後。
NFRecords(Victor Entertainment) 2019年6月19日 (2019-06-19)
アルバム
  • 2CD+Blu-ray(完全生産限定版A)
  • 2CD+DVD(完全生産限定版B)
  • 2CD(通常盤)
世界 デジタル・ダウンロード
日本 2019年6月21日 (2019-06-21) ミュージックビデオ
忘れられないの
N/A
2019年7月6日 (2019-07-06) レンタルCD VICL-65194
2019年7月11日 (2019-07-11) ミュージックビデオ
モス
N/A
NFRecords(Victor Entertainment)
Drop Block Studio
2019年8月9日 (2019-08-09) ミュージックビデオ
忘れられないの(Drop Block Studio Cover Version)
NFRecords(Victor Entertainment) 2019年8月21日 (2019-08-21) 8cmCDシングル VIDL-30565[20]

ミュージック・ビデオ、およびパフォーマンス

「忘れられないの」のミュージックビデオは、これまでと同様に田中裕介が監督を務めた[21]。 楽曲同様、ミュージックビデオも1980年代をオマージュしており[22]、歌番組のようなセットを背景に、白いソフトスーツにサングラスといういで立ちの山口がパフォーマンスをする内容となっている[21]ほか、ビデオカメラも古いタイプのものが使われている[23]。 ミュージックビデオには、テレビCMで速度制限マンを演じた嶋田久作も出演している[13]。 青木は、MVにおける嶋田について、トーキング・ヘッズのコンサート映画『ストップ・メイキング・センス英語版』におけるデヴィッド・バーンを意識したのではないかと推測している[13]

「モス」のミュージックビデオは、「」にちなんで繭から人が這い出るものとなっている。

2019年6月21日に『ミュージックステーション』に出演した際は、ミュージックビデオの内容を再現するパフォーマンスが行われた[24]

クレジット

レコーディング

アルバム『834.194』のライナーノーツによる[25]

忘れられないの
Cooperative Synthesizer & Percussion Arrangement - 青山翔太郎
ヴァイオリン - 山本理紗、須原杏
ヴィオラ - 村田泰子
チェロ - 遠藤益民
モス
Cooperative Synthesizer & Percussion Arrangement - 青山翔太郎
パーカッション - 出田寿一
トランペット - タブゾンビ
テナー & バリトンサクソフォーン - 栗原健
トロンボーン - 滝本尚史
  • Record & Mixed - Aobadai Studio & Soi Studio
  • Assistant Engineer - Masayuki Yoshii(Aobadai Studio), Tetsuro Sawamoto(Aobadai Studio), Miyuki Nakamura(Aobadai Studio), Konoka Munekata(Aobadai Studio)
  • Instrumental Technician - Ryoji Tamura(MOBY DICK), KazuyaTakeda(MOBY DICK), Kentaro Seki(TEAM ACTIVE)
  • Drum Technician - Yoshio Arimatsu
  • Mastered - Kotaro Kojima(FLAIR)

ミュージック・ビデオのクレジット

ミュージック・ビデオ公開ページによる[26][27]

「忘れられないの」
  • キャスト - サカナクション、岡本ゆい、栗林藍希、Amy、花梨、エモン久瑠美、矢野崇人、ビリー、鏑木信三、児島亜美、佐藤弘将、黒谷寛子、嶋田久作
  • 監督&プロデューサー - 田中裕介
  • 撮影 - 奥口睦(Tsuji Management)
  • 1st アシスタント・カメラ - 清水絵里加
  • 照明監督 - 坂田覚
  • 技師 - 鈴木秀崇
  • Key Grip - 中西保(OF-inc)
  • 撮影備品 - 株式会社テレビアルファ
  • DIT - 大山泰斗(Progressive)
  • プロダクション・デザイナー - 枝広淳良(エダヒロ)
  • 振付 - 振付稼業air:man
  • スタイリスト - 三田真一(KiKi)
  • ヘア&メイクアップ - 根本亜沙美、佐伯憂香
  • キャスティング - 中村裕之(bepop)
  • オフライン編集 - 田中裕介(Caviar)
  • オンライン編集 - 水野正毅(Khaki)
  • CG&VFX - 笹井孝悦(Caviar)
  • スタジオ - 角川大映スタジオ
  • プロデューサー - 前田博隆(前田屋)、阿部航(Tape)
  • プロダクション・マネージャー - 村上健人、中村ミサ(Caviar)
  • プロダクション - 前田屋
  • スペシャル・サンクス - 片山正通、久下秋穂、武蔵野美術大学、阿部恭毅、青葉台スタジオ、飯田海斗、種橋由夏、遠藤真帆、檜山永梨香、入野恵、宇川萌、佐古修平
モス
  • キャスト - 井手上漠
  • 監督 - 山口保幸
  • 撮影監督 - 山田真也
  • 照明監督 - 海道元(Office Doing)
  • アートデザイナー - 森井耕作
  • 美術 - 米澤初美(ちから美術)
  • ヘア&メイクアップ - 根本亜沙美
  • プロデューサー - 野村英之(Tokyo No.1 Entertainment Inc.)
  • アシスタント・プロデューサー - 中川愛美(Tokyo No.1 Entertainment Inc.)
  • プロダクション・マネージャー - 白澤優、岸本拓之(Tokyo No.1 Entertainment Inc.)
  • プロダクション・アシスタント - 白井達也(Tokyo No.1 Entertainment Inc.)、堀口実来、塙拓也

脚注

  1. ^ Hot 100 Year End 2019”. Billboard Japan (2019年12月11日). 2022年10月16日閲覧。
  2. ^ Billboard Japan Top Download Songs Year End | Charts”. Billboard JAPAN. 阪神コンテンツリンク. 2022年9月11日閲覧。
  3. ^ Streaming Songs Year End 2019”. Billboard Japan (2019年12月11日). 2022年10月16日閲覧。
  4. ^ 忘れられないの/モス”. billboard japan. 2020年5月22日閲覧。
  5. ^ サカナクション、最新アルバムより“忘れられないの”&“モス”を8cmCDでリカットリリース”. rockin'on.com (2019年7月10日). 2019年7月15日閲覧。
  6. ^ サカナクション8cmシングル「忘れられないの / モス」追加生産決定”. ナタリー (2019年7月13日). 2019年7月15日閲覧。
  7. ^ サカナクション、新曲「忘れられないの」がソフトバンク新CMのテーマ曲に” (2019年3月22日). 2019年6月6日閲覧。
  8. ^ サカナクションがソフトバンク新CMソング提供、山口一郎が広瀬すず救う(動画あり)”. 音楽ナタリー. Natasha (2019年3月22日). 2020年6月13日閲覧。
  9. ^ サカナクション 山口 一郎インタビュー「テクノロジーから生まれる新しい感情を発明していきたい」 - Artist Push! Push! #25(1/2)”. ソフトバンクニュース (2019年3月25日). 2020年6月13日閲覧。
  10. ^ サカナクション新曲「忘れられないの/モス」深田恭子主演「ルパンの娘」主題歌、8センチCD限定枚数で”. www.fashion-press.net. 2020年6月14日閲覧。
  11. ^ a b c d 「サカナクションのニューアルバム『834.194』を半解剖!」”. SCHOOL OF LOCK! (2019年6月14日). 2020年5月8日閲覧。
  12. ^ 山口一郎×広瀬すず初対面、サカナクション「忘れられないの」使用のソフトバンク新CM”. エンタメOVO(オーヴォ). 2020年6月13日閲覧。
  13. ^ a b c d e f g h 青木優 (2019年8月23日). “サカナクションは、80年代カルチャーをどう消化した? 「モス」に潜む“コミカルさ”と“シリアスさ”(1/3)”. リアルサウンド. ブループリント. 2020年6月13日閲覧。
  14. ^ サカナクションがソフトバンク新CMソング提供、山口一郎が広瀬すず救う”. 音楽ナタリー (2019年3月23日). 2020年5月8日閲覧。
  15. ^ 「ニューアルバム『834.194』から、新曲「忘れられないの」初オンエア!」”. SCHOOL OF LOCK! (2019年5月24日). 2020年5月8日閲覧。
  16. ^ 明日「サカナLOCKS!」でサカナクション新曲「忘れられないの」初オンエア”. 音楽ナタリー (2019年5月23日). 2020年5月8日閲覧。
  17. ^ 834.194 (完全生産限定盤A:Blu-ray付属)”. Victor Entertainment. 2020年5月8日閲覧。
  18. ^ 834.194 (完全生産限定盤B:DVD付属)”. Victor Entertainment. 2020年5月8日閲覧。
  19. ^ 834.194”. Victor Entertainment. 2020年5月8日閲覧。
  20. ^ 忘れられないの/モス”. Victor Entertainment. 2020年5月8日閲覧。
  21. ^ a b 小川智宏 (2019年7月8日). “なぜ我々はサカナクション“忘れられないの”MVの80年代に令和を感じるのか?”. rockinon.com. 2020年5月24日閲覧。
  22. ^ 【Mikikiの歌謡日!】第18回 サカナクション、ichikoro、GOODMOODGOKU、日向坂46……今週のトキメキ邦楽ソング”. Mikiki. 2020年6月14日閲覧。
  23. ^ 80年代前半のカルチャーを徹底再現、サカナクション「忘れられないの」MV完成”. BARKS. 2020年6月13日閲覧。
  24. ^ レジー (2019年7月4日). “今回もやってくれた!サカナクションとミュージックステーションの素晴らしき共犯関係”. M-ON! MUSIC. エムオン・エンタテインメント. 2020年5月24日閲覧。
  25. ^ 『834.194』(CDブックレット)サカナクション、NF Records(ビクターエンタテインメント)、日本,東京、2019年。VIZL-1590,全国書誌番号: 23241751 
  26. ^ サカナクション (5 June 2019). サカナクション / ナイロンの糸. 東京: ビクターエンタテインメント.
  27. ^ サカナクション (5 June 2019). サカナクション / ナイロンの糸. 東京: ビクターエンタテインメント.

外部リンク




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