心的外傷後ストレス障害(PTSD)
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/10 09:58 UTC 版)
「境界性パーソナリティ障害」の記事における「心的外傷後ストレス障害(PTSD)」の解説
心的外傷後ストレス障害(PTSD)とは症候学的な類似が指摘されている。BPD患者はしばしば顕著な外傷体験を持っており、1/3の患者はPTSDの診断基準を満たすとも言われている。BPDとPTSDの症状の出現には、共に扁桃体、海馬、眼窩前頭皮質などの情動的調節に関与する神経回路が関連しているという共通点もある。しかしPTSDに見られるような過剰な警戒心、刺激への過敏反応、フラッシュバックはないことが多い。PTSDの解離はトラウマに関連した直接的な刺激で起こる、一種の防御反応だが、BPDの解離状態は一般的なストレス下で起こる。 一方で過去の外傷体験が主要な病因になっている一群も存在するとし、外傷性精神障害として捉えようという動きもある。PTSDの研究で知られるアメリカの精神科医ジュディス・ハーマンはその著書の中で、境界性パーソナリティ障害は複雑性PTSDであると述べている。ハーマンは養育期の虐待が重ねられた結果、対人関係の不安定さや感情統制能力の低下が起こるとみている。 DSM-IV-TRのPTSDは戦争やレイプ体験などのトラウマ研究を元につくられており、家庭内の長期にわたる虐待など、日常的に広範囲で起こるPTSDは「複雑性PTSD(C-PTSD)」と呼ぶように提案されている。なおDSM-IVには複雑性PTSDに該当する診断項目はなく、今後独立した診断基準として新たに作成される可能性がある。複雑性PTSDの症状は、感情制御の困難さ・過敏さ、リストカットなどの自傷行為、解離症状、転換性障害(ストレスが身体症状として現れる)などがある。 患者の現在の症状と心的外傷を早期に結びつけることが、治療上の陰性反応を避けられるかは結論が得られておらず、慎重な取り扱いが要求される。
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心的外傷後ストレス障害
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/16 16:58 UTC 版)
詳細は「心的外傷後ストレス障害」を参照 心的外傷後ストレス障害(PTSD)は外傷体験によって生じる不安障害である。心的外傷後ストレスは、戦闘、自然災害、レイプ、人質状況、児童虐待、いじめ、あるいは重大な災難のような極端な状況が原因となる。また個人的な悩みとは繋がりのない精神疾患を持つ人との交流においてネガティブな側面の考え方を覚えることや、家族からの見られ方におけるストレスなど、先々に当事者になるかも知れないと予想が可能な段階でも自らの訴えを伝える相手に気が付けなくなる事などで、予防対策を失うことも原因の一つとなる。DSM-5では不安障害の下位分類ではなく、不安障害と同等な大項目になった。
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