復権と再度の沈黙とは? わかりやすく解説

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復権と再度の沈黙

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/21 14:03 UTC 版)

アンナ・アフマートヴァ」の記事における「復権と再度の沈黙」の解説

1940年、なんの前触れもなく当局から詩集刊行許可下りる。実に17年ぶりに刊行され詩集タイトルは『六冊の本から』で、これはアフマートヴァの過去六冊の詩集からの抜粋新作加えたのである公的に存在抹消されていた(すでに死去していると思っていた者も多かったという)詩人新作大きな話題呼びパステルナーク書簡伝えところによれば、書店の前の通り行列ができるほどの売れ行きであったという。しかし、世間での好評とは関わりなく、当局から再び発禁処分下され図書館からも回収されてこの詩集姿を消したスターリン圧政下に苦し人々の声を代弁した『レクイエム』の中から収録された二篇の詩が当局に目をつけられたためであるといわれている。 大祖国戦争第二次世界大戦中独ソ戦のこと。旧ソ連圏ではナポレオン退けた祖国戦争にちなんでこう呼ぶ)のさなかにはレニングラード包囲戦悪夢目撃した彼女の愛国的な詩篇プラウダ一面掲載されることもあった。1944年中央アジアへの疎開からレニングラード(現サンクトペテルブルク)へ戻ったアフマートヴァは、「私の街のふりをした恐るべき亡霊」の姿に愕然とした1946年8月14日ソ連共産党中央委員会ジダーノフ批判として知られる言論弾圧開始するレニングラード当時)で刊行されていた雑誌『星』と『レニングラード』の二誌を「思想欠如したイデオロギー的に有害な内容である」として攻撃したのである。主要執筆者であったアフマートヴァへの批判苛烈極めジダーノフはかつてボリス・エイヘンバウム用いた情熱身を焦がす淫乱女か、あるいは神の赦し請う修道女か」という比喩歪曲し、アフマートヴァの詩は「気違いじみた女の自画像」であり、「売春祈祷混ぜ物」にすぎず、「青少年害する代物だとまでいい放った。こうしてアフマートヴァは再び長い沈黙強いられることとなった。この時期のアフマートヴァが書くこと許されたのは、1949年にまたも逮捕された夫プーニンと息レフ助命嘆願のための交換条件執筆したスターリン賛美する詩『平和に栄光あれ』のみであった(もちろんそれですべての問題が片付くことなどありえず、プーニンは4年後に獄死した)。死を迎え1966年までの約20年にわたる沈黙の中で、『レクイエム』同じく記憶の中で書き綴られたのが畢生の大作ヒーローのない叙事詩』である。

※この「復権と再度の沈黙」の解説は、「アンナ・アフマートヴァ」の解説の一部です。
「復権と再度の沈黙」を含む「アンナ・アフマートヴァ」の記事については、「アンナ・アフマートヴァ」の概要を参照ください。

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