後代の解釈としてのワーディーエル=アリーシュ説とは? わかりやすく解説

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後代の解釈としてのワーディー・エル=アリーシュ説

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/11/23 15:17 UTC 版)

エジプトの川」の記事における「後代の解釈としてのワーディー・エル=アリーシュ説」の解説

ナイル川ペルシウム河口部消滅は、聖書登場するシナイ地域地理的理解に、多く混乱もたらした出エジプト記13:18-20 によればイスラエルの民がエジプト離れた場所はスコテであった。「スコテ (Sukkot)」とは、ヘブライ語で「椰子小屋」を意味するが、これはアラビア語では「エルアリーシュ (El-Arish)」と訳される。この場所は、ファイユーム近郊にあり、9世紀末に当地生まれたユダヤ教注釈者サーディア・ガオン(Saadia Gaon)は、エルアリーシュワーディーこそがエジプトの川であると比定した。その後エジプト出身ユダヤ教注釈者たち(Radbaz (David ben Solomon ibn Abi Zimra)、Ishtori Haparchi (Kaftor Vaferech))は、この見方踏襲した。ただし、ここでいうエルアリーシュは、現在のエルアリーシュのことではないと考えられる。Kaftor Vaferech は、この場所をガザからおよそ180キロメートルの距離にあるとしている。この距離はかつてのペルシウム河口部位置重なり伝統的な見解とも矛盾しない。これに対して現在のエルアリーシュは、ガザから77キロメートルばかりの場所にある。 七十人訳聖書は、イザヤ書27:12 の Nachal Mitzrayim を Rhinocorura と訳したギリシア語で「鼻削ぎ」といった意)。この地名は、その変種として Rhinocolura とともにペルシウムを含むシナイ半島一帯指して用いられたが、この場合も、伝統的な見解とは矛盾生じなかった。ところが、この地名は、海岸沿いにエジプト東方へと繋がる道路沿いにある、海岸の町の名にも使われた。ナイル川ペルシウム派川消滅によって、七十人訳聖書の Rhinocorura はこの海岸の町であり、その町にもたらすワジのことだとする解釈生んだ当地訪れ巡礼者たちは、このワジ河口にあったアラブ人集落が、聖書記されスコテそのものであるか、その近くだと誤解し、この集落ワジそれぞれエルアリーシュ、ワーディー・エル=アリーシュと名を付けたヘブライ語の nachal が英語で brook訳されたことも、この川が小川であるという印象与え後代注釈者たちの解釈影響与えることになった。この英語への訳は、一般的に誤訳とされている。後代ヘブライ語では nachal は小川意味する傾向があるが、聖書時代ヘブライ語ではこの言葉大小問わず流れる川を指す表現であったまた、この表現は、現代ヘブライ語におけるものも含めアラビア語ワーディー (涸れ川) とは意味が重ならないエジプトの川をワーディー・エル=アリーシュ比定する見方は、今日でも広く流布し文献等にも受け入れられているが、考古学者にはほとんど相手にされていない

※この「後代の解釈としてのワーディー・エル=アリーシュ説」の解説は、「エジプトの川」の解説の一部です。
「後代の解釈としてのワーディー・エル=アリーシュ説」を含む「エジプトの川」の記事については、「エジプトの川」の概要を参照ください。

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