庶民院(下院)
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詳細は「庶民院 (イギリス)」を参照 約650人の普通選挙(直接選挙)によって選ばれた議員からなる。選挙権は18歳以上の国民と国内に住むアイルランド人の男女、被選挙権は21歳以上の国民の男女にある。議員定数はイングランド524人、ウエールズ38人、北アイルランド17人、スコットランド72人である。これら4地域は、人口が均等に近くなるように境界委員会が定めた選挙区に分割され、それぞれの選挙区を代表する議員を一人ずつ選出する。つまりイギリスは小選挙区制である。小選挙区制のみによる選挙のため政権交代が起きやすく、二大政党化が進みやすい。庶民院では、過半数を一つの党が確保することがほとんどである。 1911年に制定された議会法(イギリスの憲法の1つ)によって、慣習となっていた「庶民院の優越」が法律に明記された。庶民院は、貴族院に比べ大きな権限を有している。庶民院は、例え貴族院の反対する法案でも、時間をかければ最終的に成立させることができる。 庶民院は、首相を決め、政府(内閣)を監視する場でもある。庶民院は首相を指名し、儀礼的にそれを承認するのは国王だが、庶民院は国王演説(政府の施政方針を国王が朗読する)の後の採決や、内閣不信任決議案の審議などで首相を信任するかどうかを決定する。不信任とされた場合、首相は辞任するか庶民院を解散しなければならず、首相は過半数を占める政党の党首であることが要求される。この例外は、選挙の結果半数を超える政党が無かった場合と、戦時下などで挙国一致内閣をつくる場合に限られる。 近年では首相と野党党首が庶民院議員でなかったことはない。貴族院議員が首相に任命されたのは1902年、第3代ソールズベリー侯のロバート・ガスコイン=セシルが最後で、1963年に第14代ヒューム伯爵アレック・ダグラス=ヒュームは首相就任に際してヒューム伯の爵位を自分一代に限り返上した(その後1974年には一代貴族ヘイゼルのヒューム男爵に叙されて貴族院議員に復帰。なお嫡男デイヴィッド・ダグラス=ヒュームが第15代ヒューム伯爵となっている)。 議会が解散される場合を除き、議員の任期は5年である。
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庶民院
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/09/13 00:58 UTC 版)
1707年にイングランド王国とスコットランド王国が合同して以降、スコットランド貴族は貴族代表議員を務めていない者を含め庶民院から排除された。一方、アイルランド貴族は同様の制限を受けず、貴族代表議員を務めていないアイルランド貴族は貴族特権(英語版)を放棄することでアイルランド以外の選挙区の代表として庶民院議員を務めることができた。例えば、カーゾン卿はインド副王に任命されて叙爵されるにあたって、帰国後に庶民院議員を務められるようアイルランド貴族の爵位を求めた。 1963年貴族法によりスコットランド貴族全員に貴族院議員となる権利が与えられたが、アイルランド貴族もすべての選挙区の代表として庶民院議員を務める権利、庶民院選挙で投票する権利が与えられ、貴族特権を放棄するという要件も廃止された。
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