干支による紀月
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/08/07 00:25 UTC 版)
古くから中国では冬至を含む月を「子月」と呼んだ。 子は十二支の1番目であり「新たな生命の種が宿る時」とされており、旧命が滅し、新種が宿るため、子は十二支で唯一、生滅同梱・新旧同梱の支となる。時刻に関しても子の時刻は23:00-0:59となっており、旧から新へと切り替わることを意味する。 周代では冬至の日を新年とし、子月を1月としていたが、漢代に王朝が変わると夏暦が再び使用されるようになり、正月が寅月立春に移動し、寅月を1月とする夏暦が2000年以上も続き、現在の中国でも夏暦が使用されている。 「一陽来復」(いちようらいふく)とは、冬至を意味し、新年の到来、悪い事が続いた後で幸運に向かう事、陰気が極まった後に冬至を境に陽気に向かう事を意味し、陰暦10月は坤卦、11月は復卦に当たり、陰ばかりの中に陽が戻ることになり、復卦とは冬至の事である。 冬至は1年間で太陽の位置が最も低くなる日であり、1年間で日中が最も短くなり、冬至を境に太陽が生まれ変わり、陽気が増え始めるとされている。 天文や二十四節気の平気法では冬至を1年の起点としている。子の時刻は23:00-0:59となっており、二十四節気を24時間上に例えると、子月にある冬至は0:00の位置となり、次の年への移行を意味することになる。物理上は、1年間の干支は冬至で切り替わることになる。 月名には十干を加えることが唐代には行われており、その場合の配当は年の干名によって各月の干が割り当てられた。たとえば、寅月についていえば、甲や己の年は丙、乙や庚の年は戊、丙や辛の年は庚、丁や壬の年は壬、戊や癸の年は甲となる。つまり、干名が甲である年の寅月は「丙寅月」となる。 月の十二支節気の区切り中気月(天文・平気法・周正)月(旧暦・夏正)月(新暦)甲・己年乙・庚年丙・辛年丁・壬年戊・癸年子月 大雪-小寒 冬至 1月冬至で新年へ移行。新年・旧年の両方を含む月となる。 11月 新暦12月上旬-新暦1月上旬 丙子月 戊子月 庚子月 壬子月 甲子月 丑月 小寒-立春 大寒 2月 12月 新暦1月上旬-新暦2月上旬 丁丑月 己丑月 辛丑月 癸丑月 乙丑月 寅月 立春-啓蟄 雨水 3月 1月 新暦2月上旬-新暦3月上旬 丙寅月 戊寅月 庚寅月 壬寅月 甲寅月 卯月 啓蟄-清明 春分 4月 2月 新暦3月上旬-新暦4月上旬 丁卯月 己卯月 辛卯月 癸卯月 乙卯月 辰月 清明-立夏 穀雨 5月 3月 新暦4月上旬-新暦5月上旬 戊辰月 庚辰月 壬辰月 甲辰月 丙辰月 巳月 立夏-芒種 小満 6月 4月 新暦5月上旬-新暦6月上旬 己巳月 辛巳月 癸巳月 乙巳月 丁巳月 午月 芒種-小暑 夏至 7月 5月 新暦6月上旬-新暦7月上旬 庚午月 壬午月 甲午月 丙午月 戊午月 未月 小暑-立秋 大暑 8月 6月 新暦7月上旬-新暦8月上旬 辛未月 癸未月 乙未月 丁未月 己未月 申月 立秋-白露 処暑 9月 7月 新暦8月上旬-新暦9月上旬 壬申月 甲申月 丙申月 戊申月 庚申月 酉月 白露-寒露 秋分 10月 8月 新暦9月上旬-新暦10月上旬 癸酉月 乙酉月 丁酉月 己酉月 辛酉月 戌月 寒露-立冬 霜降 11月 9月 新暦10月上旬-新暦11月上旬 甲戌月 丙戌月 戊戌月 庚戌月 壬戌月 亥月 立冬-大雪 小雪 12月 10月 新暦11月上旬-新暦12月上旬 乙亥月 丁亥月 己亥月 辛亥月 癸亥月
※この「干支による紀月」の解説は、「干支」の解説の一部です。
「干支による紀月」を含む「干支」の記事については、「干支」の概要を参照ください。
- 干支による紀月のページへのリンク