巨大化ヒーローへの設定変更
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/10 07:21 UTC 版)
「シルバー仮面」の記事における「巨大化ヒーローへの設定変更」の解説
かくして等身大ヒーロー番組だった『シルバー仮面』は、第11話から『シルバー仮面ジャイアント』と改題され、巨大化ヒーロー番組として設定の多くが修正・変更されることとなる。第11話から第13話は、宣弘社作品常連の田村正蔵が監督を務めた。 それまでの基本設定だった春日兄妹の放浪と設計図探しは、第10話で春日博士がすでに完成させていた光子ロケットのエンジンが発見され、設計図をめぐる秘密は春日博士が兄妹たちに与えた試練だったという形で終了する。そして、主人公のシルバー仮面は第11話で大破した光子ロケットのエネルギーを浴びて巨大化し、以後は巨大ヒーローとして活躍する。また、ドラマ面では、人間ドラマの部分が希薄になることを恐れた橋本洋二の意向で、岸田森演ずる春日兄妹の理解者・津山博士を登場させ、春日兄妹は博士の研究所に勤務し、光子ロケットの開発および侵略宇宙人との戦いを続けることになる。巨大化したあとでも、人類の宇宙開発への批判をおこなった話(第18話、第19話など)もあり、SF色の濃いハードなドラマづくりが行われた。津山博士の娘・リカは、退場した春日はるかに近い位置づけとなり、ひとみと光三の持つ保護者的なキャラクターは後半も活かされ続けた。 オープニングも変更が加えられ、アバンタイトルの映像が春日光二の変身シーンに、主題歌の歌詞が1番から3番に、スタッフとキャストのテロップが横書きから縦書きになった。 この「ジャイアント編」は、当時の「怪獣・変身ブーム」の追い風もあって視聴率も上昇。第2話から10話の平均視聴率が6.0%だったのに対し、第11話から第26話の平均視聴率は8.8%である。第16話から第18話まで3週連続で10%超えを果たした。また、テコ入れ初回の第11話から『ミラーマン』の視聴率を常時20%割れの状態に追い込んだ。 「ジャイアント編」以降、美術の池谷仙克と大木淳を除くコダイグループのほとんどの人員が本作品から離れており、演出面は宣弘社がサポートすることとなった。池谷は、ジャイアント編では本編班と特撮班の2班体制となり、円谷プロダクション時代のノウハウを活かせたので楽になったと述べている。等身大時代は毎回シルバー仮面と宇宙人とが等身大で格闘するためのセットを組んでいたため予算や時間で苦労していたという。一方で、池谷は等身大時代の方が思い入れが強かったことも語っている。
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