山村幸広
山村幸広とは、インターネット広告を配信するダブルクリック株式会社の代表取締役社長、ポータルサイト「Excite」を運営するエキサイト株式会社の代表取締役社長などを務めたことで知られる企業家である。2008年に広告配信ネットワークのグラムメディア・ジャパン株式会社のCEO兼バイスプレジデントへ就任した。1963年生まれ。
1986年、山村幸弘は大手アウトソーシング支援会社のトランスコスモスに入社した。同社副営業本部長から米国法人の取締役、取締役事業企画開発副本部長を経た後、1997年にダブルクリック株式会社の代表取締役社長へ就任。1999年にエキサイトの日本法人責任者、翌2000年に同社代表取締役社長に就任した。
エキサイト株式会社は米国法人の子会社として立ち上げられ、ポータルサイト「Excite」の日本進出を実現した。しかし山村幸広がエキサイト日本法人の責任者に就任してまもなく、親会社である米国法人がアットホーム社に買収される。さらに、2001年に日本エキサイトがジャスダックへ株式公開を申請している間に、合併してできたエキサイト・アットホーム社が経営破綻している。こうした中、山村幸広は、伊藤忠商事から90%の株式を取得して親会社からの独立を敢行、さらに、単年度で創業以来初めてとなる経常黒字化を達成するなど、逆境に対して鋭い経営手腕を発揮した。2004年にはエキサイト株式会社はジャスダックへの上場も果たした。ちなみに、ポータルサイト事業者の株式公開はヤフー株式会社に次いて2番目である。
ポータルサイト事業は、インターネット黎明期からYahoo!による独走態勢の状態にあり、他の多くのポータルサイトは撤退するか苦戦を強いられている。Exciteは、都市型生活スタイルの、若手ビジネスパーソン層にターゲットを絞り、また他方では、完全に女性向けに特化させたポータルサイト「ウーマンエキサイト」や、都市生活者に特化したオンラインマガジン「イズム」を提供するなど、徹底した差別化とブランディングを行い、独自の価値を提供することに成功している。
2008年9月、山村幸広は、米国で広告ネットワークを配信しているGlam Mediaの日本進出に際して、日本法人であるグラムメディア・ジャパンにCEOとして就任した。女性向けのネット広告として急激に成長している米国企業の日本進出に当たって、ダブルクリックという広告配信ネットワークを立ち上げ、さらにウーマンエキサイトという女性専用ポータルサイトも立ち上げている山村幸広が陣頭指揮を執ることに、市場からは大きな注目が集められている。
(更新:2008年9月)
参照リンク
山村幸広の一日、一グラム
山村幸広
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/04/20 02:27 UTC 版)
山村 幸広(やまむら ゆきひろ、1963年10月-)は、日本の実業家。ダブルクリック、エキサイトの代表取締役社長を歴任、元グラムメディア・ジャパン株式会社CEO兼シニアバイスプレジデント。2014年パズルリング設立。スクウエア・エニックスホールディングス社外取締役、プロジェクト8株式会社(集英社100%子会社)非常勤取締役、トランス・コスモス株式会社 顧問、xAd Japan 顧問を兼任している[1]。
来歴
京都市出身。京都東山高校卒業、天理大学外国語学部フランス学科卒業、1986年トランスコスモス入社。同社営業副本部長から米国法人の取締役、取締役事業企画開発副本部長を経た後、1997年にダブルクリック株式会社設立と共に代表取締役社長へ就任[1]。
1999年エキサイトの日本法人責任者、翌2000年同社代表取締役社長に就任、「エキサイト翻訳」[脚注 1]や「オンラインゲーム」、音楽のダウンロードサービスを始めた。まもなく、親会社である米国法人がアットホーム社に買収される[2]。エキサイトは米国法人エキサイト・アットホーム社が大きな負債を抱え倒産したにもかかわらず日本法人は独立し経常黒字化を達成。2004年にはジャスダックへ株式公開を果たし会社を存続させた[2]。ポータルサイトの株式公開はヤフー株式会社に次いで2番目であり、その後ポータルサイトはどこも上場を果たしていない。Yahoo! JAPANとの差別化戦略を指揮。
2008年8月、米国女性向けナンバーワンメディア、Glam Media(en:Glam Media)の日本進出に際して、日本法人であるグラムメディア・ジャパンのCEO兼米国グラムメディア・インクシニアバイスプレジデントに就任し[3]、ダブルクリックで広告配信ネットワークを立ち上げ、女性向けに特化したポータルサイト「Woman excite」(ウーマンエキサイト)を立ち上げ、国内の女性向けサイトNO.1に成長させたノウハウを活かし陣頭指揮を執っている。今や、その女性向けネットワークは iPhone や Android Phone を始めとするスマートフォンの領域にも広がり、日本国内のみならず、米国グラムメディア・インクシニアバイスプレジデントとして、アジア圏では韓国で Glam Korea を立ち上げ、東南アジア6カ国も管轄とし、グラムメディアの国際化とビジネスの拡大に貢献している。
2014年、株式会社 パズルリング設立[4]、代表取締役現在に至る。又、スクウエア・エニックスホールディングス社外取締役[1]、プロジェクト8株式会社(集英社100%子会社)非常勤取締役、トランス・コスモス株式会社 顧問、xAd Japan 顧問を兼任している。
経歴
- 1986年3月 天理大学外国語学部フランス語学科卒業
- 1986年4月 トランスコスモス株式会社入社 副営業本部長、米国法人取締役
- 1997年4月 トランスコスモス株式会社 取締役事業企画開発副本部長
- 1997年9月 ダブルクリック株式会社 代表取締役社長
- 1999年1月 エキサイト株式会社 ゼネラルマネージャー
- 2000年6月 エキサイト株式会社 代表取締役社長
- 2008年8月 グラムメディア・ジャパン株式会社 代表取締役CEO 兼米国グラムメディア・インクシニアバイスプレジデント
- 2013年6月 スクウエア・エニックスホールディングス社外取締役
- 2014年9月 トランス・コスモス株式会社 顧問
- 2014年9月 株式会社パズルリング 代表取締役
- 2015年4月 xAd Japan 顧問
- 2015年6月 プロジェクト8株式会社(集英社100%子会社)非常勤取締役
出典・参考文献
出典
- ^ a b c 山村 & 原 (2023), p. 1.
- ^ a b 山村 & 原 (2023), p. 2.
- ^ 山村 & 原 (2023), p. 3.
- ^ 山村 & 原 (2023), p. 4.
参考文献
- 山村幸広. 日経ビジネス電子版編集長 原 隆: “エキサイト再上場、22年前に破綻した米企業はなぜ日本で生き残ったか”. 日経ビジネス電子版. pp. 1-5. 2023年4月20日閲覧。
脚注
- ^ “エキサイト翻訳、サービス終了にTwitterで惜しむ声 「英訳→和訳→英訳」で変な文を作る遊びや珍訳の思い出も”. itmedia ねとらぼ. 2023年4月20日閲覧。
外部リンク
固有名詞の分類
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