尖閣諸島における漁船衝突に対して
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/09/04 07:33 UTC 版)
「温家宝」の記事における「尖閣諸島における漁船衝突に対して」の解説
詳細は「尖閣諸島問題」を参照 詳細は「尖閣諸島中国漁船衝突事件」を参照 2010年9月7日、中国の漁船が日本の領海である沖縄県の尖閣諸島付近で操業中に日本の海上保安庁の巡視船に発見され、停船を勧告されるも漁船は無視して逃走した。逃走の際、中国の漁船は海上保安庁の巡視船に衝突を繰り返し、巡視船2隻を破損させ、同漁船の船長は公務執行妨害で逮捕された。 日本の対応について中国側は激しい怒りを見せた。温家宝は「不法拘束中の中国人船長を、即時無条件で釈放することを日本側に求める」と発言、中国人船長の即時・無条件解放を日本に要求した。国の首脳がこの問題に触れたのは初めてとされる。さらに温家宝は、「日本側が釈放しなければ、中国はさらなる対抗措置を取る用意がある。その結果についてすべての責任は日本側が負わなければならない」と日本を恫喝し、「日本側が早急に過ちを正し、中日関係を正しい道筋に戻すことは、両国人民の根本利益に合致するだけでなく、平和・協力という世界の潮流とも一致する」と述べた。またアメリカのニューヨークで開催された国際連合会議に出席した温家宝は、2010年9月21日の夜、現地の華僑や中国人留学生らとのレセプションの席で、漁船衝突事件で拘留されている中国人船長を直ちに無条件で釈放するよう求める談話を発表した。温家宝は「最近日本は釣魚島で操業していた漁船と船員を拘留し、現在に至るまで船長を釈放せずに日本の国内法で処理しようとしている。これは違法かつ不条理であり、船員やその家族を大いに傷つけ、国内外の中華子女による強い憤りを引き起こした」「我々は数度に渡って正しい道理のもとに日本に対して交渉を行ってきたが、日本側は聞く耳を持たない。このような状況では、われわれは然るべき対抗措置を採らざるを得ない。この場を借りて、私は日本政府に対して直ちに中国人船長を無条件で釈放することを強く求める」と改めて主張した。尖閣諸島を「釣魚島は中国の神聖な領土である」と強調し、「日本がわれわれの意見を聞かないのであれば、われわれは更なる行動に出る。これによってもたらされる一切の重大な損失は、日本が全てその責任を負わなければならない」と、中国共産党政府による声明の内容をほぼ踏襲するもので締めくくった。 2010年10月5日の未明、ベルギーのブリュッセルにて菅直人首相と会談した際に菅が尖閣諸島について「わが国固有の領土であり、領土問題は存在しない」としたのに対して、中国の外務省は温家宝が「中国固有の領土だ」と主張したことを発表した。
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