大磯平塚の住人
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/01 09:32 UTC 版)
宇津木 実菜(うつぎ みな) 西田画伯の新作のモデル。見知らぬ男に付き纏われて婚約が破談となり、真壁恵を頼って平塚に逃れてくる。 「真壁恵」を名乗りすみれ荘に入居、澤福酒店の手伝いをした後、西田のアトリエでモデル役となる。9月5日、すみれ荘で毒殺され、三人目の毒殺被害者となる。 原田 美咲(はらだ みさき) 横浜の画商。住所は東京都世田谷となっているが、婚約者が事業に失敗して負債を抱え、連帯保証人として実家の土地家屋を売却して借金をほぼ完済した後、婚約を解消して両親を武蔵野の親類に預けて大磯に移り住んだと云い、絵を扱うために頻繁に西田の元を訪れている。西田に絵のモデルとして宇津木実菜を紹介する。 真壁 恵(まかべ めぐみ) 高田屋の住込従業員。原田美咲の幼馴染み。宇津木実菜の境遇に同情し、名前と住居を貸す。また大鷹に住居と仕事を提供する。 松金 あやめ(まつかね あやめ) 故西田豪造代議士の第2秘書の娘。小柄で脳天を突き抜けるような高い声を出す。聡明で頼りになる。本人曰く、地元では相模原小町つと謳われているとのことで、云い寄って来る男は何人も居るらしい。父は出征して戦死して、母は実家に引っ込んで農家をしている。 豪造の通夜の晩に母から新造の手伝いをするよう云い付けられ、以来3年余、手間賃や給料を受け取ることもなく、毎週火曜日に1週間分の食材や生活物資、画材などを調達して西田邸にやって来る。 大仁田 良介(おおにた りょうすけ) 松金家のトラック運転手。丸顔で背が高く、くたびれた襯衣に汚れた国民服と云う、浮浪者ではないがあまり綺麗ではない身態をしているものの、誠実で配慮がある中々有能な人物。あやめと共に、西田新造の身の回りの世話をする。 澤村 喜助(さわむら きすけ) 澤福酒店の店主。 澤福の女将 澤福酒店の女将。饒舌な性格。真壁恵を気に入っている。彼女の死を悲しみ、偽名と知っても穿鑿しない。 後藤 なべ(ごとう なべ) 大磯で雑貨屋を営む老婆。 熊本 順平(くまもと じゅんぺい) 平塚の商人宿「高田屋」の主人。 岩崎 宗佑(いわさき そうすけ) 故人。明治時代から続いた岩崎製薬の最後の社長で、平塚から大磯にかけて沢山土地を持っていた素封家。保養所や個人的な馬場などの施設も数多く所有していた。開戦直後に岩崎製薬を畳んでから自殺し、一人娘は下請け会社の社長と駆け落ちしてので勘当し、その後2人とも病死していたため、孫娘を相続人として不動産とそれ以外の財産を換金した莫大な遺産を受け継がせた。死後、馬場の管理運営は乗馬倶楽部に譲渡されている。 西田 豪造(にしだ ごうぞう) 故人。西田新造の父親。生前は代議士だったが、3年余前に既に病死している。非常に多忙で、病弱で入院加療の多かった長男とは縁が薄く、息子は政治家にならなかったため、地盤は第1秘書が引き継いだ。 神崎 礼子(かんざき れいこ) 平塚乗馬場の調教師。美人で気品もあり真面目で物腰も柔らかいので評判は良い。岩崎宗佑の遺産相続人の紹介で就職したらしい。来宮姉妹とは仲が良かった。
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