多宗教社会
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/19 04:45 UTC 版)
ヒンドゥー教、ジャイナ教、仏教、シーク教といったインド起源の宗教はすべて、ダルマとカルマの両概念がベースにある。アヒンサー(非暴力)はインド先住民の信条のなかでも重要な要素であり、非暴力不服従運動によりインド輿論をまとめあげイギリスに抵抗した、マハトマ・ガンジーが実践者として知られ、アメリカ公民権運動のキング牧師にも影響を与えた、インド先住民の宗教にとって重要な概念である。外来宗教であるユダヤ教、キリスト教、イスラム教などのアブラハムの宗教やムスリムの迫害から逃れたゾロアスター教やバハイ教の信者もいる。 世界第二位の人口を持つインド共和国は、28の州からなる連邦共和制であり、各々の州には独自の文化性がある。インド亜大陸で数千年の時を経て育まれたインドの文化は、様々な文化がまざりあっているとされる。歴史的に、インド文化はダルマと深い接点があり、哲学、文学、建築、美術、音楽などインド文化の各分野への影響が認められる。 インドの文化は、インド亜大陸を超えて外界へ伝播することで、インド文化圏を形成した。西暦の初めにかけて、旅行者や海商などがシルクロードを経由して、ヒンドゥー教、仏教、建築 、統治システム、文字の概念などがアジアの他地域へと広まったことは特筆に値する。ヒンドゥークシュ山脈やパミール高原は、インド文化圏と西のイラン文化圏とが重複する地域であり、何世紀もの時代にわたり、仏教、ヒンドゥー教、イスラム教、ジャイナ教、シーク教、そして様々な民族の文化が融合した。 インドではヒンドゥー教、仏教、ジャイナ教が誕生した。これらの宗教は一般的にインド発祥の宗教としてひとくくりにされる。インドの宗教は、アブラハムの宗教に並んで世界の主要な宗教であり、ヒンドゥー教と仏教の信者数はそれぞれ約2億人と約2億5~6千万人という世界第3位、第4位の規模を誇る。この三つの宗教で、実にインドの人口のおよそ80%から82%を占めるという。 多様な宗教・民族を持つインドでは、世俗国家ながらも宗教が社会や文化に浸透し、人々の生活に深く根付いている。全体としてはヒンズー教が多数を占めるものの、ウッタル・プラデーシュ州などには多数のムスリムが住んでいる。2011年の国勢調査によると、インドの人口の79.8%がヒンズー教徒であり、イスラム教(14.2%)、キリスト教(2.3%)、シク教(1.7%)、仏教(0.7%)ジャイナ教 (0.4%)と続いている。
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