外観・足回り機器など
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/08 15:56 UTC 版)
「営団6000系電車」の記事における「外観・足回り機器など」の解説
1968年(昭和43年)4月、世界初のサイリスタチョッパ制御の実用化を図るために3両編成のアルミ合金製車両として登場した。製造は汽車製造が担当した。 当初は6001・6002・6003の車号とされ、6001号には三菱電機製のチョッパ制御・6002号には超多段式の抵抗制御・6003号には日立製作所製のチョッパ制御装置がそれぞれ搭載された。いずれの制御装置も95kWの主電動機を8台制御可能であり、チョッパと抵抗制御の直接の比較試験も実施された。チョッパ装置は素子に逆阻止サイリスタを使用した四相および二相方式である。 台車はS形ミンデン(片板ばね式)式軸箱支持方式とし、基礎ブレーキにはディスクブレーキを採用した。6001に三菱の電動機搭載のFS-368A形、6003には日立製を搭載したFS-368Bを使用し、6002には両方の台車を用意し、試験する装置によって台車を使い分けていた。 ブレーキ装置には当時は新しい回生ブレーキ併用電気指令式空気ブレーキを採用した。また、6003には日本では珍しいシネストンタイプと呼ばれる縦軸式のワンハンドル式マスター・コントローラーが採用された。 運転台前のフロントガラスは大形化して、上部に行先表示器、運行表示器も収めた。これにより運転士への広い視界確保や貫通扉を車掌台側に寄せることで運転台スペースを広くしている。このため前面デザインは非対称となり、正面の非常扉は非常用ステップを一体にした前倒し式である。このデザインと構造は日本車輌製造が考案したもので、その後に登場した地下鉄車両に影響を与えたといわれる。 製造当時は車体裾部に騒音対策用のスカートが設置されていたが、保守点検の際に着脱の必要があるため、側面のスカートを撤去し、正面スカート(排障器)のみを残していたが、こちらも最終的には取り外されている。なお、このデザインはサンフランシスコ・ベイエリアを走行しているBARTの影響を受けているという記載が散見されているが、実際BARTの車両デザインおよびそのモックアップは1972年に開業する前の1960年代半ばには公表されていた。なお、当時の日車デザイナー栗原征宏は設計に際し、BARTに多大な影響を受けていることが明かされている。 正面の緑色の帯は当初前照灯の部分で途切れていた。正面・側面には電動式の方向幕が設置された。側面については後に使用が停止されている。6000-1の前面行先表示器は液晶式やLED式表示器の試験を実施したこともあったが、本車は運用区間が限定され短距離であったことから幕式に戻された。 車体は千代田線への導入に考慮し、日本国有鉄道(国鉄、現・東日本旅客鉄道(JR東日本))常磐線各駅停車および小田急電鉄小田原線との相互直通運転が可能な20m・4ドア車としている。千代田線開業までは東西線の深川検車区に配置された。
※この「外観・足回り機器など」の解説は、「営団6000系電車」の解説の一部です。
「外観・足回り機器など」を含む「営団6000系電車」の記事については、「営団6000系電車」の概要を参照ください。
- 外観・足回り機器などのページへのリンク