堰堤改良事業と福井豪雨とは? わかりやすく解説

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堰堤改良事業と福井豪雨

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/18 15:01 UTC 版)

笹生川ダム」の記事における「堰堤改良事業と福井豪雨」の解説

奥越豪雨甚大な被害さることながら福井県河川事業始まって以来となるダム異常洪水時防災操作堤体側面からの洪水越流を受け、福井県根本的な対策迫られた。1972年昭和47年福井県笹生川ダム堰堤改良事業着手しダム洪水調節能力向上図ったダム右岸貯水池からトンネル掘削してダム下流真名川洪水放流するバイパストンネル式洪水吐建設することで、ダムの放流能力増強させる。トンネル入口にはゲートを2門備え長さ267メートルトンネル経てダム本体より下流放水口を設けて放流させる構造である。また奥越豪雨ではダム下流がけ崩れ発生して電話不通停電生じたため、通信設備観測設備改良補充行った1973年昭和48年6月より工事開始され、総事業費24億円を投じて1977年10月堰堤改良事業完成した。バイパストンネル式洪水吐増設するダム再開発事業笹生川ダムのほか京都府天ヶ瀬ダム淀川)や愛媛県鹿野川ダム肱川)でも行われているが、笹生川ダムはその初期例である。 一方建設省も、奥越豪雨による九頭竜川流域災害契機に、九頭竜川水系治水計画再検討した。当時九頭竜川本流には九頭竜ダム建設中であったが(1968年完成)、真名川深刻な被害機に10月には真名川筋の新たなダム地点調査された。1966年3月九頭竜川水系一級河川指定され5月には福井県通じて大野市若生地点建設省直轄特定多目的ダム建設することが地元伝えられた。真名川ダムである。高さ127.5メートル総貯水容量1億1500立方メートル笹生川ダム大幅に凌駕する真名川ダム新たな真名川総合開発事業根幹として1977年完成した真名川ダム完成により笹生川ダム堰堤改良と共に真名川治水強化されたが、ダム建設に伴い西谷村廃村となった。既に笹生川ダム建設により四集落消滅し真名川ダム建設で五集落移転して存続成り立たなくなることから、当時西谷村長・山本満はダム規模大きくさせて全村移転廃村させるという苦渋の決断下した2004年平成16年7月九頭竜川流域襲った平成16年7月福井豪雨では、足羽川堤防決壊により福井市浸水するなど大きな被害受けた真名川流域足羽川流域同程度豪雨となったが、笹生川ダムでは計画高水流量に近い毎秒400立方メートル真名川ダムでは奥越豪雨笹生川ダム記録した流量超える毎秒1,033立方メートル最大流入量を記録した。しかし笹生川ダムでは最大放流毎秒87立方メートル流入量の5分の1近く減らし真名川ダムでは最大放流毎秒167立方メートル9分の1近くにまで減らした。この結果真名川本流域では浸水被害皆無となり、流域治水大きく貢献した

※この「堰堤改良事業と福井豪雨」の解説は、「笹生川ダム」の解説の一部です。
「堰堤改良事業と福井豪雨」を含む「笹生川ダム」の記事については、「笹生川ダム」の概要を参照ください。

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