地球環境の変遷
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/07/29 16:47 UTC 版)
地球誕生以来、多くの重大事象が起き、初期の地球環境はかなり極端であったと予想されている。45.5億年前の月が出来る原因となったと思われる天体との衝突があり、地球の自転速度は月誕生直後では一日が5-8時間で、月は地球から1.5-2万キロ(現在は38万キロ)と近くにあり、非常に大きな潮汐力であった。その後徐々に1日が長くなると同時に、月が離れていった。(8.5億年前頃(新原生代)には一日は20.1時間で一年は435日であった。)41億年前から38億年前の間には後期重爆撃期と呼ばれる多くの天体衝突があり、初期の地球環境は何度も破壊された。以降も直径10㎞を超える小惑星を含めた隕石の衝突があり環境を激変させた。 地球誕生直後はマグマで覆われていたが、比較的早期に冷えて固まり42億年前には既に海洋が形成されていた事が、発見された岩石情報から推定されている。40億年前(太古代の初め)には地温勾配は現在の3倍程で、25億年前には2倍程になり、地球が冷え地殻が形成され、マントルの対流により超大陸の形成分裂が繰り返され、火山活動・造山活動もそれに伴い引き起こされた。25億年前にはそれまでの海底での火成活動から、大規模な陸上での火山活動が起きた。 太陽の明るさは40億年前には現在の70-75%と冷たい太陽であったが、温室効果ガスによると考えられ気温は現在とほぼ同じであった。地磁気は32億年前には現在の50%ぐらいで初期の地球大気を太陽風から守っていた。地磁気の逆転は何度も起きている。幾度もの氷河時代が訪れており特に強い氷河時代には赤道付近まで凍結する雪玉地球の状態であったと推定されている。これらの気候変動により数百メートルの幅で海水準変動が起きた。 また地学的事象との複合作用であるが、生物起源の地球環境の変化も起きており、その最たるものが24.5-18.5億年前の大酸化イベントと呼ばれる遊離酸素の大量供給である。推定では現在の大気中の酸素の約10倍の酸素がこの期間に供給され(数倍から20倍とも)、様々な酸化物を生成すると同時に大気中の酸素濃度がゼロから現在の10%(1%とも)以上になった。8-3億年前にも大気中酸素濃度の急上昇が起きており石炭紀末には最大で現在の1.7倍になったと考えられている。約4億8830万 - 4億4000万年前頃にオゾン層が形成され生物の陸上進出が可能となる。
※この「地球環境の変遷」の解説は、「地質時代」の解説の一部です。
「地球環境の変遷」を含む「地質時代」の記事については、「地質時代」の概要を参照ください。
- 地球環境の変遷のページへのリンク