合同調査団 (JIT) の結論
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/15 05:16 UTC 版)
「マレーシア航空17便撃墜事件」の記事における「合同調査団 (JIT) の結論」の解説
JITは2016年9月28日に記者会見を開き、スニジネの南6kmにある町ペルヴォマイスキー (Первомайський) 近郊の反政府勢力の支配する草原から発射された9K38ブークミサイルで航空機が撃墜されたと結論付けた。また、使用されたブークミサイルシステムは、墜落当日にロシアからウクライナに運び込まれ、墜落後にロシアに戻ったことが判明した。 JITはブーク発射台の動向に関与した目撃者および容疑者を100人特定しており、まだ有罪と評定できる明確な指揮系統を掴んでいないが捜査は目下進行中であると述べた。オランダの検事総長は「証拠は法廷の前に立つ必要があり」それで最終判決を下すことになると語った。この捜査でJITは50億ページに及ぶウェブページを記録して評価し、証言者200人に聞き取りを行い、50万枚の写真とビデオを収集し、15万件の電話傍受を分析した。JITのフレッド検察長によると、犯罪捜査はブーク発射台を見た人の生証言、一次レーダー情報、オリジナル写真やビデオを含む「巨大な証拠の集合体」に基づいている。 2018年5月24日、JITは航空機を撃墜したブークがクルスクにあるロシア第53対空ミサイル旅団から来たと結論付けた。オランダ警察の国家捜査局長は2014年7月17日に、ブーク操縦者の身元、指示、関与したブークの運用責任者に関する情報共有を目撃者や内部関係者に求めた。オランダ検察庁によると「ロシア連邦の当局者は、[中略]第53旅団のブークがウクライナ東部に配備され、このブークがMH17便を撃墜したことをJITに報告していない」という。これに応じてロシアのウラジーミル・プーチン大統領は、ロシアはJITの結論を分析するが、調査する当事者になった場合にのみ(情報共有を)認めるつもりだと述べた。ロシア国防省は、ウクライナとの国境を越えたロシアのブークは存在しないと主張した。 2018年5月25日、オランダとオーストラリアの政府は共同声明を発表し、この墜落事故ではロシアに責任の「一端」があるとした。両国の外相は旅客機撃墜についてロシアが法的責任をに負うことになるだろうと述べた。オランダのステフ・ブロック外相は「政府は現在、ロシアの説明責任を正式に負わせることで次の一歩を踏み出している」「オランダとオーストラリアは本日、MH17墜落によって引き起こされた途方もない苦しみと損害に正義を尽くす解決策を見つけることを目的とした協議に入るようロシアに要請した。次にありうる段階は、その判決を求めて国際裁判所や組織に提示する事だ」と述べた。イギリス、ドイツ、米国 などの国々ならびにEU やNATO といった国際機関が、JITの結論とオランダ・オーストラリアの共同声明に支持を表明して、ロシアに捜査協力を求めた。JITの結論に対して、ロシアのプーチン大統領は、ロシアは「関与していない」と繰り返した。
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