只とは?

Weblio 辞書 > 辞書・百科事典 > 隠語辞典 > の意味・解説 

し【×只】

人名用漢字] [音]シ(呉)(漢) [訓]ただ

[一]〈シ〉それだけ。「只管打坐(しかんたざ)」

[二]〈ただ〉「只今只者只中

難読只管(ひたすら)


ただ【徒/×只】

《「直(ただ)」と同語源》

【一】[名]

取り立てて値打ち意味がないこと。普通。「—の人」「—のからだではない」

何事もなくそのままであること。無事。「見つかったら—では済まない

(只)代金いらないこと。また、報酬のないこと。無料。「—でくれる」「—で働く」

【二】形動ナリ

ありきたりまた、ありのまま

「—なる絹綾など取り具し給ふ」〈源・宿木

何事もないさま。

朝露のおくる思ひ比ぶれば—に帰らむ宵はまされり」〈和泉式部日記

[補説] 【一】3は「只」の字を「ロ」と「ハ」とに分け俗に「ろは」という。


ただ【唯/×只/但】

《「直(ただ)」と同語源》

【一】[副]

そのことだけをするさま。それよりほかにないと限定するさま。ひたすらもっぱら。「—時間ばかりかかる」「—無事だけを祈る」

数量程度などがごく少ないさま。わずかに。たった。「正解は—の三人だった」「—一度しか休まない」

(「ただ」+動詞連用形+「に」+動詞の形で)そのことだけが行われるさま。ひたすら。「—泣き泣く

【二】[接]前述事柄に対して条件つけたりその一部保留したりするときに用いる。ただし。「出かけていい。—、昼までには帰るように」


ただ【直・徒・只・唯・但】

1⃣ 〔形動

[一] (直)

① 間に介在する物がなく、直結するさま。直接であるさま。

古事記(712)上・歌謡「嬢子(をとめ)に 多陀(タダ)に逢はむと 我が開(さ)ける利目(とめ)」

曲折がなく、まっすぐなさま。遠まわしでないさま。

古事記(712)下・歌謡「大坂に 遇(あ)ふや嬢子(をとめ)を 道問へば 多陀(タダ)には告らず 当芸麻道(たぎまち)を告る

[二] (徒・只)

格別に扱うような状態ではないさま。取り立てるほどのことのないさま。普通なさま。並のさま。

伊勢物語(10C前)六「まだいと若うて、后のただにおはしける時とや」

今昔1120頃か)二九「兵共は只の様に一人づつ其の家に行て隠れて居たりける」

取り立てるほどの行為含まないさま。漫然たるさま。そのまま何もしないさま。むなしいさま。

*竹取(9C末‐10C初)「ただに病み死ぬるよりも人聞き恥づかしく覚え給ふなりけり

海道記(1223頃)極楽四方非ず阿彌陀仏を念じ奉るは、口のあればただに唱へ居たるか、耳のあればただに聞ゐたるか、あな浅増のやすさや」

2⃣

① (形動代償祝儀などを与えたり受けとったりしないこと。代価不要なこと。無料また、無償であるさま。

能因本(10C終)二二「今日はかならずさるべき使ひぞと、心ときめきして来たるに、たたなるは誠にすさまじ

滑稽本浮世風呂(1809‐13)四「無銭(タダ)でも貰(もらほ)と云(い)やせまいシ」

何もないこと。

咄本蝶夫婦(1777)初夢大吉「されば、では合点がいかぬが、只(タダ)には増だろう」

3⃣ 〔副〕

[一] (直)

① 間に介在する物事がなく、直接に。

(イ) 距離的なへだたりがなく、じかに。

万葉(8C後)一七・四〇二五「之乎(しを)路から多太(タダ)越え来れば羽咋(はくひ)の海朝なぎしたり舟もがも」

(ロ) 時間的へだたりがなく、すぐに。また、時間的経過の短いことを限定する。

万葉(8C後)一〇・二〇六〇「直(ただ)今夜(こよひ)逢ひたる児ら言問ひもいまだせずしてさ夜そ明けにける」

(ハ) 多く命令文物事要請することばの上にあって、その意を強める。ともかく。何はともあれ

今昔1120頃か)五「更に不可呑ず。只乗給へ

② ある事柄が、まっすぐに他の事柄に結びついて一致する、またはそっくりであると認め気持表わすまさしくあたかも

古今(905‐914)哀傷・八四〇「神な月しぐれにぬるるもみぢばはただわび人のたもとなりけり〈凡河内躬恒〉」

[二] (唯・只)

① それ一つ取り立てて限定する。それよりほかのことなく。もっぱらいちずにひたすら。ただに。

(イ) 限定助詞を伴う。

書紀720神代上(水戸本訓)「我が所生之(うめる)国唯(タダ)朝霧の有り薫満てるかな」

徒然草1331頃)二一九「笙は、調べおほせて持ちたれば、ただ吹くばかりなり」

(ロ) 限定助詞伴わない

*竹取(9C末‐10C初)「いかん方もしらずおぼえしかど〈略〉ただむなしき風にまかせてありく」

太平記14C後)六「合戦勝負必しも大勢小勢に不依、只士卒の志を一にするとせざると也」

事柄単一さ、数量少なさ強調する気持表わすわずかに。たった。ほんの。

書紀720允恭八年二月歌謡数多(あまた)は寝ずに多(タダ)一夜のみ」

源氏100114頃)桐壺日日にをもり給てただ五六日の程にいと弱うなれば」

③ 「ただ+動詞連用形+に」の形で、ひたすらその行為推し進めるさまを表わす。あとに同じ動詞くり返すのが普通。

万葉(8C後)五・八九四「大伴の 御津の浜びに 多太(タダ)泊(はて)に み船は泊てむ」

俳諧更科紀行(1688‐89)「馬のうへにて只ねぶりにねぶりて」

前文に対して例外的その事柄だけが成り立ったり派生したりする意を表わす後文内容全体成立派生を示すときは接続詞近づく

(イ) わずかに。やっと。

土左(935頃)承平五年一月一一日「人みなまだねたれば、海のありやうも見えず、ただ月を見てぞ西ひんがしをば知りける」

(ロ) けれども、ちょっと。それはそれとして

落窪(10C後)一「口つき愛敬づきて、少しにほひたる気つきたり。清げなりけり。ただ眉の程にぞおよずけのあしげさも少し出で居たりと見る」

[三] (徒・只)

取り立てた事をしないで。

(イ) ありきたりに。なんでもなく普通に

蜻蛉(974頃)下「二日許ありて、ただことばにて、『侍らぬほどにものしたまへりけるかしこまり』などいひて」

(ロ) 何もせずそのまま

落窪(10C後)二「今宵ばかりにこそあれ御忌日なれば、猶ただ臥し給へれ」

代償なしに。無料で。

*虎明本狂言薩摩守室町末‐近世初)「舟にただ乗を、さつまのかみと云は、ただのりといはふがためじゃ」

4⃣ 〔接続先行する事柄に対して例外認めたり、その他の事柄追記する場合。しかし。ただし。

風姿花伝140002頃)二「衣・袴着様、すべて私ならず。尋べし。たた、世の常女懸りは、常に見馴るる事なれば、げには輙かるべし」


読み方:ろは

  1. 無代収受又ハ法外利得。〔第四類 言語動作
  2. 代金を要せぬことを云ふ。只の字をロとハに分け、ただと云ふことに通はして云ひたり。
  3. 無代無料の意。金銭を要せず只なりとの意。只の字分解すれば、ロハとなるを以ていふ。
  4. 只のことをいふ。只の字片仮名のロとハから成つて居るから。
  5. の字上下分けてロハといふ。無代価の意味である。〔隠語
  6. 只。
  7. 只のことをいふ。只の字は片カナのロとハと書所から。
  8. 只、無料のこと。「只」を分析したもの
  9. 只。甲府 不良青少年仲間
  10. 無代無料をいう。タダ(只)の字上下に離して片仮名したもの
  11. 只。〔香具師不良
  12. 無料。只の字分解。〔俗〕
  13. 只のこと。只という字を分析すれば「ロハ」となるから。

分類 不良青少年仲間俗語、俗/一般東京香具師不良

隠語大辞典は、明治以降の隠語解説文献や辞典、関係記事などをオリジナルのまま収録しているため、不適切な項目が含れていることもあります。ご了承くださいませ。 お問い合わせ

無料

( から転送)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/07/04 08:58 UTC 版)

無料(むりょう)とは、そのサービスの提供について、受益者に代価を求めないことである。無償(むしょう)、(ただ)などともいう。


  1. ^ “ろは”, 新明解国語辞典 (第4版小型 ed.), 三省堂, (1989年12月10日), p. 1389, ISBN 4-385-13142-2 .
  2. ^ 宮本憲一(1989):環境経済学.岩波書店、368p.ISBN 4000003267


「無料」の続きの解説一覧

出典:『Wiktionary』 (2019/05/28 10:44 UTC 版)

発音

名詞

  1. ただ無料ロハ

副詞

  1. ただ)その他のことに関わらず

熟語

成句


※ご利用のPCやブラウザにより、漢字が正常に表示されない場合がございます。
Copyright © KANJIDIC2 - the property of the Electronic Dictionary Research and Development Group(EDRDG), used in conformance with the Group's licence. Copyright © 1991-2010 Unicode, Inc. All rights reserved. Stroke Order Diagrams(SODs) licensed from © Kanji Cafe.


英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「只」の関連用語

1
100% |||||

2
100% |||||

3
100% |||||

4
100% |||||

5
100% |||||

6
100% |||||

7
100% |||||

8
100% |||||

9
100% |||||

10
100% |||||

只のお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



只のページの著作権
Weblio 辞書情報提供元は参加元一覧にて確認できます。

  
デジタル大辞泉デジタル大辞泉
(C)Shogakukan Inc.
株式会社 小学館
精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典
(C)Shogakukan Inc.
株式会社 小学館
皓星社皓星社
Copyright (C) 2021 株式会社皓星社 All rights reserved.
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアの無料 (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。
Text is available under Creative Commons Attribution-ShareAlike (CC-BY-SA) and/or GNU Free Documentation License (GFDL).
Weblioに掲載されている「Wiktionary日本語版(日本語カテゴリ)」の記事は、Wiktionaryの (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、Creative Commons Attribution-ShareAlike (CC-BY-SA)もしくはGNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。
漢字辞典
Copyright © KANJIDIC2 - the property of the Electronic Dictionary Research and Development Group(EDRDG), used in conformance with the Group's licence.
Copyright © 1991-2010 Unicode, Inc. All rights reserved. Distributed under the Terms of Use in http://www.unicode.org/copyright.html.
Stroke Order Diagrams(SODs) licensed from © Kanji Cafe.

©2021 GRAS Group, Inc.RSS