収用委員会の再建と現在
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/02/18 03:32 UTC 版)
「千葉県収用委員会会長襲撃事件」の記事における「収用委員会の再建と現在」の解説
その後、新左翼が激減して事態が沈静化したこともあり、2004年(平成16年)に千葉県知事堂本暁子が「収用委員会が機能停止していては県民に不利益が生じる、苦渋の決断だが再建する」と表明。12月8日に収用委員会が再建され、翌年1月17日に約16年ぶりに委員会が開催された。ただし、その時点では委員の氏名を非公開とし、1994年(平成6年)に政府と旧熱田派が合意に達した成田空港問題円卓会議での「和解協定」により、成田国際空港の二期工事には適用しないこととされた。 土地収用法では、収用委員会の審理や議事録は原則公開であるが、千葉県収用委員会では、新左翼のテロリズムによる報復攻撃を防ぐために秘密会で実施されていたが、収用委員全員の要望により2005年(平成17年)7月に公開に方針転換し、議員の守秘義務も解かれた。2007年(平成19年)12月、千葉県は収用委員会7名の氏名を公表した。 なお千葉県では現状、外環道建設などのインフラ整備に限り土地収用法を適用しているが、成田国際空港の土地収用に関しては、引き続き土地収用法に基づく行政代執行の適用除外となっている。 1981年から25年間中核派の三里塚現地闘争本部の責任者を務めていた岸宏一は、『三里塚のイカロス』収録に際して2015年10月から12月にかけて行われたインタビューの中でこの事件を振り返り、被害者の小川弁護士について「彼は人権派でいい弁護士だった」と認めつつも、「あれは、いい作戦だったと考えている。今後、収用委員会を襲えば他の場所でも収用不能となるということを実践したんだ」と語っている。なお、この映画の撮影にあたり、監督の代島治彦が事件時にその場に居合わせた小川弁護士の同僚の弁護士に連絡をとって出演を依頼したが、「小川さんの家族は憤りながらも忘れたがっているし、自分もどういう危険があるかわからないから話したくない」と断られている。
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