反イスラエル諸発言
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「マフムード・アフマディーネジャード」の記事における「反イスラエル諸発言」の解説
詳細は「マフムード・アフマディーネジャードとイスラエル」を参照 「イスラエルとイランの関係」も参照 2005年10月26日、アフマディーネジャードは反イスラエル発言を含む演説をおこなった。広範に流布された翻訳によると、アフマディーネジャードはアーヤトッラー・ホメイニーの声明とするものに同意し、「占領体制」は除去されるべきであり、これを指して、「イスラーム世界の不名誉な汚れ」を「拭い去らねばならない」と発言している。 アフマディーネジャードの発言は西欧諸国政府、欧州連合、ロシア、国際連合安全保障理事会、国連事務総長コフィー・アナンらの批判を招いた。またエジプト、トルコ、パレスチナの指導者もアフマディーネジャード発言に不快感を示している。当時のカナダ首相ポール・マーティンは「このイスラエルの存在に対する脅威、ジェノサイドの要求は、イランの核への野望と表裏一体のものであり、全世界の無視できない問題である」と評した。イスラエル系の中東報道研究機関は、イガル・カルモン会長の見解として、「イスラエルの正当な存在権の否定」し、「シオニスト国家・イスラエル」を抹殺し、「ユダヤ人とイスラエル国を悪の権化としてきめつけ」るために行われた発言と批判している。ただしこの問題の文言については翻訳上の疑問があると指摘する専門家もおり、「地図から抹消する wipe off」ではなく、「時間のページ」あるいは「歴史のページ」から「除外する eliminate」「拭い取る wipe away」とするのがより正確であるとする。 ニューヨーク・タイムスの外信担当副編集イーサン・ブロンナーはこの翻訳論争を概観し、外務省・大統領府などの「全ての公式翻訳」を見ると、「イスラエルを拭う wipe away」との訳となっていると指摘している 。 2006年のイスラエル・レバノン紛争について、アフマディーネジャードはイスラエルの行動を第二次世界大戦時のアドルフ・ヒトラーの行動と比較し、「まるでヒトラーのようだ。シオニスト体制は軍事攻撃の名分を求めている」「まさにヒトラーのように行動している」と述べた。 2006年8月8日、アフマディーネジャードは60 Minutesの記者マイク・ウォーレスのテレビインタビューに応え、その場でイスラエルの「残虐な体制」に対するアメリカの支援およびイスラエルのレバノン侵攻の道義的根拠に疑問を示した。 同12月2日のカタル・ドーハでのパレスチナのイスマーイール・ハニーヤ首相との会談で、イスラエルは「地域の支配をねらう傲慢な諸国によって、イスラームの心臓ともいえる地への侵入を可能ならしむるために創られた」のだと発言している。アフマディーネジャードはイスラエルを「脅威」とし、域内に緊張を引き起こし、地域に英米の政策を強要するために建国されたものである、とも述べている。 同12日にはホロコースト・グローバルヴィジョン検討国際会議で演説。イスラエルの将来に言及し「イスラエルは崩壊しようとしている。これは神の約束であり、全世界の望みである」「ソ連が消滅したそのとき、誰しもが知ったはずだ。これがシオニスト体制の運命でもある、ということを。そして人類は自由になるだろう」と述べた。 また、2007年6月3日には、「イスラエル滅亡のカウントダウンが始まった」と発言した。 2009年4月20日には、世界人種差別撤廃会議の再検討会議の席上、「イスラエルは人種差別主義者の国だ」と発言。このため、親イスラエル派の欧州代表らが罵声を浴びせてゴムボールを投げるなど、抗議して次々と退場するという事態になった。なお、この会議にアメリカやイスラエルなどは欠席している。
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