原産地と語源
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/10 02:52 UTC 版)
サトウキビの原産地は、南太平洋の島々で、そこから東南アジアを経て、インドに伝わったとされるが、「インド原産」という説も強い。砂糖の歴史は古く、約2500年前に東インドでサトウキビの搾り汁を煮詰めて砂糖をつくる方法が発明されたと考えられている。例えば、カウティリヤにより紀元前4世紀後半に書かれたとされるサンスクリットで書かれた古典「アルタシャーストラ」(「実利論」)には、純度が一番低いグダ、キャンディの語源とされるカンダ、純度が最も高いサルカラ (SarkaraあるいはSarkkara) の3種類の砂糖の説明が記載されている。サルカラは英語の「Sugar」やフランス語の「Sucre」の語源になった。 また、パタンジャリが紀元前400~200年の間に書いたと推定されるサンスクリット文法の解説書「マハーバーシャ」には、砂糖を加えたライスプディングや発酵飲料の作り方が記載されている。砂糖は病気による衰弱や疲労の回復に効果があるとされ、薬としても用いられた。当時は「インドの塩」と呼ばれ、塩と関連づけられていた。 ダレイオス1世はインド遠征の際にサトウキビをペルシアに持ち帰り、国家機密として輸出と栽培を独占した。その後サトウキビは戦乱とともに黒海方面やペルシャ湾岸、中東一帯に広がっていった。フェニキア人や古代エジプト人は砂糖を香辛料や生薬として扱った。中国での砂糖製造の歴史は古く主に広東地方で行われていた。唐代の本草学者、蘇敬の『博物誌』には「太宗は砂糖の製造技術を学ぶため、リュー(インド)、とくにモキト(ベンガル)に職人を派遣した」と記述されている。 古代ギリシャのテオフラストスは『植物学概論』で「葦から採れる蜜」について書き留めている。そしてアレクサンドロス3世がインドに遠征した。また、帝政ローマ時代のギリシア人医師ディオスコリデスは砂糖をサッカロン(saccharon)と呼び、考察を行った。プリニウスやストラボン以後のローマ時代の学者はこれに倣った。
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