北大東島のリン鉱床とは? わかりやすく解説

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北大東島のリン鉱床

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/11/26 08:53 UTC 版)

北大東島のリン鉱山」の記事における「北大東島のリン鉱床」の解説

北大東島沖縄本島の東約360キロメートルにある、面積約11.94平方キロメートルの島である。島は後述のようにサンゴ礁一種である環礁隆起して形成され隆起環礁であり、隆起前は礁湖であった島の中央部低く盆地になっている中央部低地を囲むように「幕(ハグ)」と呼ばれる堤防状の高地があり、幕の外側丘陵地帯となっている。中央部低地は「幕下(ハグシタ)」、幕の外側広がる環状丘陵地帯については「幕上(ハグウエ)」と呼ばれている。そして島の周囲海食崖取り囲まれている。環状丘陵地帯である幕上は幅約0.5キロメートルから1.8キロメートルほどあり、同様の地形有する南大東島よりも広いという特徴がある。また幕上には中央低地取り囲んでいる幕の他に、海側にも周囲よりも少し高い地域があって、幕と海側の高地との間は比較平坦ないし谷状の地形となっている。 北大東島のリン鉱床は島内広く分布している。鉱床ドロマイト化した石灰岩形成されている大東の上部の、粘土層、軽石粘土層である港層と呼ばれる地層内にある。なお港層は長年リン鉱石採掘結果、現在ではほとんど確認することができない鉱床の特徴としては一般的なリン鉱石であるリン酸三石灰の鉱床もあるが、リン酸礬土酸化鉄主成分とするリン酸礬土鉱の鉱床の方が遥かに広い。 リン酸三石灰の鉱床北西部島内最高地点である黄金山のものが最も大きく、島の北西端黒部付近とやはり北西部玉置平に鉱床があった。玉置平は黄金山西麓にあり、島内環状に巡る丘陵地帯である幕上の北西部位置し、幕上と中央低地帯の幕下との間の高地帯である幕と、幕上の海側にある高地帯に挟まれた、標高40メートル南北細長い平坦な地形である。玉置平のリン酸三石灰の鉱床は、主に後述リン酸礬土鉱床下部に、基盤ドロマイト化され石灰岩を覆うように分布していた。リン酸リン酸三石灰鉱は塊状鉱石リン酸礬土鉱である粘土の中からは礫状、粒状鉱石産出した塊状のものと礫状、粒状鉱石成分的にやや異なり採掘水洗を行うことによって礫状、粒状鉱石良品となったリン酸礬土鉱の鉱床島内北西部丘陵地帯全域広がっていて、中央部低地内の小丘にも鉱床存在する。しかし一部除きリン酸含有量少ないため、実際にリン鉱石として採掘されたのは北西部のうち約30坪の鉱区であったリン酸礬土鉱は硬質のものと軟質のものに二分されるが、赤褐色ないし黄白色をした塊状ないし粉状をした軟質鉱石大部分占めていた。また軟質鉱石には約3割の水分含まれていた。北大東島リン酸礬土鉱は通常のリン鉱石よりも水分が多い上に吸水性があった。乾燥行って空気中から湿気吸収してしまうため、相当量水分含んだ状態で貯蔵出荷を行なわざるを得ず出荷時の重量増大するため商業上の欠点とされた。 島内北西部鉱区ではリン酸礬土鉱が地表露出していた。中でも玉置平は優良なリン酸礬土鉱が多量に埋蔵されていて、元来サンゴ礁であったドロマイト化した石灰岩凹凸埋めるように産出したリン酸礬土鉱が充填され凹み大きさは2メートルから3メートル程度であり、深いものでは30メートル以上あって海水面達した。また凹み下部不規則な形となり、隣と繋がるような場合もあった。リン酸礬土鉱床露天掘り採掘され軟質であるため採掘ダイナマイト等の火薬類用い必要性無く人力容易に採掘できた。またリン酸礬土鉱床上部リン酸含有率25パーセントから35パーセントであったが、中部は約35パーセントとなり、下部は約40パーセント上部よりも下部鉱石の品位高かった。更に下部に行くにつれて酸化鉄含有量少なくなってリン酸アルミナとなった北大東島リン酸三石灰鉱は肥料である過リン酸石灰原料とされた。一方リン酸礬土鉱は肥料であるリン酸アルミナ原料主としてマッチ用いられリン製造用に販売され、更に後にはアルミニウム原料として用いられた。 北大東島リン鉱石埋蔵量については、品位の低い鉱石含めると約1000万トンとの推定がある。1924年農商務省大井技師調査によればリン酸含有量20パーセント上のリン鉱石埋蔵量は約165トン推定された。北大東島におけるリン鉱石採掘総量は約774000トンであり、閉山後1951年大日本製糖が行った調査によれば残存埋蔵量少なくともリン酸三石灰は約27トンその他のリン鉱石19トン、計46トン推定されている。

※この「北大東島のリン鉱床」の解説は、「北大東島のリン鉱山」の解説の一部です。
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