動物の権利運動における立場
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/07/24 05:57 UTC 版)
「動物の倫理的扱いを求める人々の会」の記事における「動物の権利運動における立場」の解説
ニューカークとパチェコは動物の権利を、より穏健なグループに広く知らしめ、そういったグループは新しい団体を立ち上げたり、より過激になるものもいた。ジャーナリストのマイケル・スペクターは PETA を主流派である米国動物愛護協会(英語版)(HSUS)から生まれた強硬な団体と見ている。マーティン・ルーサー・キング・ジュニアに対するマルコム・Xやグロリア・スタイネムに対するアンドレア・ドウォーキンのように社会を変革しようとする運動につきものの、穏健的な主流派から分離した、より強い主張をする団体とみる向きもある。 パイ投げや、動物の肉を食べることが人肉食と同じだと主張する新聞広告などは、動物の権利に関する問題を矮小化させており、そういった活動は訴えるべき内容よりもメディア受けするかを基準に選択されていると批判する人もいる。しかしイングリッド・ニューカーク(英語版)は「それは私たちの義務です。丁寧で波を立てないようなやり方には意味がない」と言う。 半裸もしくは全裸の女性が出る広告はフェミニストの活動家を騒然とさせた。ニューカークは批判に対し、無理強いしているわけではなくボランティアの一環としてやってもらっていると答えている。また、最初は性的な興味であっても、それが動物の権利につながれば良いとし、悪びれる様子は無い。2007年のインタビューでは、批判を受けていることに対しイングリッド・ニューカーク(英語版)は「誰かが限界を超えなければならないのです。穏健な団体から不快に思われていることは知っています。私たちと手を組むようなことは恥ずかしいことだと思われてもいるでしょう。私たちのメンバー自身が「何でこんなことやったんだい?」と聞いてくることもあります。」と答えた。 動物の権利に関する複数の著作を持ち動物解放論者である法学教授ゲイリー・フランシオンは、PETA は動物の権利団体ではないと言う。フランシオンはPETAだけでなく、アメリカには動物の権利団体はないとも指摘しており、かれらは動物福祉団体と呼ばれるべきだと述べる。フランシオンは PETAは運動を矮小化させ表面的な変革しかもたらさないと主張する。 一方で、PETAの活動方法は有名人を含む650万人に支持されてもいる。VegetarianTimesの出版社であるPaulObisは「PETAは全体として、動物の権利について、新しいレベルの興奮と正直さと威風をもたらした。」「PETAは動物の権利を高いレベルの意識に持っていき、問題を大幅に広げて菜食主義を包含し、それを主流に持ち込みました。」という。 動物実験支持者であるフランキー・トラル(全米生物医学研究協会の会長)は次のように嘆く。「PETAは彼らの世界観に基づいて世論を操作する良い仕事をしている。」 「彼らの最大の専門知識は広報です。 彼らは動物に対する人々の敏感さを利用することに非常に精通しています。」
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