前出師表とは? わかりやすく解説

出師表

(前出師表 から転送)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/08/29 05:46 UTC 版)

出師表」(すいしのひょう、「出師の表」)とは、臣下が出陣する際に君主に奉る文書のことである。「出師」とは文字通り「師(=軍隊)を出す」ことを、「表」とは公開される上奏文を指す。「出師表」自体は一般的な文書名であるが、歴史上、三国時代蜀漢の丞相であった諸葛亮が、皇帝劉禅に奏上した『(前)出師表』が極めて著名であり、特に述べられない場合、「出師表」とはこれを指す。 出師表は、後世に南宋の安子順により「諸葛亮の出師表を読んで涙を堕さない者は、その人必ず不忠である。」と言われている。




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前出師表

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出師表」の記事における「前出師表」の解説

建興5年227年)、諸葛亮主君劉禅奉った上奏文。一般に出師表と言えばこの文章を指すが、「後出師表」(後述)と区別するために、「前出師表」と呼ばれることもある。自分登用してくれた先帝劉備対す恩義述べあわせて若き皇帝である劉禅我が子のように諭し、自らの報恩決意述べた文である。陳寿三国志本文にも引用されている他、『文選』、『文章軌範』等にも収められており、諸葛亮真作考えられている。 古来から名文中の名文とされており「諸葛孔明出師の表読みて涙を堕さざれば、その人、必ず不忠と言われてきたほど、諸葛亮の蜀に対す忠義如実に描写されていると言われてきた。北宋代詩人蘇軾は「簡而盡,直而不肆」 (簡素であって出し尽くされている。真っ直であって乱雑ではない)と『老子五十八章の「是以聖人~直而不肆」を引用して高く評価した。また西晋代の将軍羊祜の讓開府表に影響与えたとされ、古来から比較対象とされた。 なお「前出師表」は、漢代古文文体書かれており、この時代確立し六朝から隋唐流行した駢文装飾的な文体とは異なる趣を持っているこの為唐代・宋代古文復興運動でも三国時代文章としては唯一重んじられていた。古文真宝文章軌範等の詞華集にも多く採用されている。 狩野直禎によれば諸葛亮尊敬していた楽毅の「燕の恵王報ずるの書」の影響見られ楽毅文章本歌取り行なっている所もあるという。

※この「前出師表」の解説は、「出師表」の解説の一部です。
「前出師表」を含む「出師表」の記事については、「出師表」の概要を参照ください。

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