初代 オースチン/MG・メトロ(1980 - 1990年)
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「ローバー・メトロ」の記事における「初代 オースチン/MG・メトロ(1980 - 1990年)」の解説
当時、BLにはミニの後継車開発プロジェクト「ADO88」が存在していたが、1977年に新プロジェクト「LC8」が発足し、フォード・フィエスタなどに匹敵する新たなスーパーミニ・カーの開発を目指していた。そのプロジェクトで誕生したのが初代メトロである。 メトロは発売前から多くの関心が寄せられており、1980年10月8日英国モーターショーにて、当時の首相であるマーガレット・サッチャー首相の出席のもとで発表された。当時のBLは技術やデザインの陳腐化が原因で深刻な経営危機に陥っており、メトロは「BLの救世主」という期待を込められて発売された。 メトロにはミニのパワートレインが受け継がれ、998 ccと1,275 ccのエンジン・前輪駆動・4速トランスミッションとサスペンションはそのまま採用された。サスペンションにはアレグロと同じ「ハイドラガス」という機構が採用されているが、アレグロとは異なり、メトロでは前後独立となっている。 ボディタイプは3ドアハッチバックで、メトロの車内は当時のクルマの中では最も広い部類に入り、メトロの普及につながる要因の1つとなった。 車名の候補は「マッチ」「マエストロ」「メトロ」が最終的に残り、BLの従業員らの投票で「メトロ」に決定する。しかし、鉄道車両やバスの車体を製造していたコーチビルダーのメトロキャメル(Metro Camell)がこれに異議を唱え、結局はBLが「ミニメトロ」(miniMetro )という名称で宣伝することで解決した。 メトロは発売後、広い室内とハイドラガスによる乗り心地とハンドリングが好評で、フォード・フィエスタの登場までイギリスでもっとも売れた小型車となった。 1982年にはバンデン・プラとMGブランドのメトロが発売された。バンデン・プラ版メトロにはラジカセ・電気式フロントウィンドウやオプションのレザートリムなど、より高級な装備が追加された。MG版メトロは若干のパワーアップがなされ、シリンダーヘッドやカムの交換など小規模な改良が施された。 その後まもなく、MGから「MG・メトロターボ」が発表された。このモデルはMGメトロにターボを搭載した高性能モデルで、排気システムやサスペンション、ギアボックスにも改良が加えられていた。 1985年には若干のフェイスリフトなどのマイナーチェンジが施され、5ドア版のメトロとライトバンタイプの「メトロバン」がラインナップに追加された。 メトロはイギリス国内での販売は好調だったものの、信頼性と品質の低さから国外での売れ行きはいまひとつだった。 1987年にオースチンブランドが消滅すると、同ブランドで販売されていた乗用車からはオースチンエンブレムが除かれ、モデル名のエンブレムのみで販売された。メトロもモンテゴやマエストロなどと共に、メディア等ではローバーブランドの車として扱われる事があったが、ローバー自体はこれらをローバーブランドとしては販売していなかった。メトロがローバーブランドとなるのは、翌1990年のフルモデルチェンジ以降の事である。 リア MG・メトロ MG・メトロターボ
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