振動準位
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振動準位(しんどうじゅんい)は分子の重心の移動を伴わず、核の相対的な位置の変位にともなう運動を表す量子状態である。分子内において核は、結合する隣接核と結合エネルギーに相当するポテンシャルの井戸を形成し、お互いばねで結ばれた様な状態にあるために、上記のような運動は振動運動によって記述される(詳細は以下の章を参照)。振動準位間の遷移は振動遷移(しんどうせんい)と呼ばれ、主に赤外分光法またはラマン分光法によって観測される。
二原子分子の調和振動
古典論

二原子分子において2つの原子核の運動をばねによって結ばれた2つの粒子の調和振動子で近似する。2つの原子核が一直線上の位置 x1, x2 にあるとすると、フックの法則からそれぞれの核にはたらく力は
分子振動
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E.N. Andrade は、液体における構造変換(無拡散変態)の機構を研究した。彼は固体と液体の分子間力は極めて近いとし、リンデマンの融解則を引用した。それは、単純固体における固有振動の原子振動周波数の正確な値を求めることに成功している。リンデマンは原子の振動の振幅が原子間距離のある割合に達したときに融解が始まるとした。 したがって液体と固体の基本的な違いは分子間力の大きさではなく、分子の振動の振幅だということになる。液相では分子の振動は極めて大きく、分子同士が衝突することも珍しくない。結果として、固体では固定されていた「平衡位置」が液体ではゆっくりと変化していき一定しない。分子の振動周波数は液体と固体で同じである。 Frenkel はまた、硬い弾性ネットワークにおける原子の静的平衡位置について熱運動の力学を考慮した。結晶の硬さは、原子が不変の平衡位置を占めているために熱運動が小振幅の振動にしかならないことによる。一方、液体では原子が恒久的な平衡位置を占めることはないため流動性が生じる。原子または分子の振動周期が適用された外力の時間的尺度にくらべて大きいとき、弾性変形が起きる。逆に振動周期が小さい場合、不可逆な塑性変形が起きる。 融点付近の単純液体および固体の高周波力学の研究において、振動周波数がゼロとなる条件を「熱力学的極限」 (υ → 0) と呼ぶ。融点付近での非弾性光散乱の研究では、十分に高い周波数の振動スペクトルは液体と固体で識別可能な差異が全く見られない。つまり、十分に短くかつ小さい範囲では、融解が起きても物質の力学においては断続的な変化が全く起きない。周波数が低いほど、液体と固体の振る舞いの差異は大きくなる。
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