蛍光分光法とは? わかりやすく解説

蛍光光度計

(蛍光分光法 から転送)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/06/27 17:45 UTC 版)

蛍光光度計(けいこうこうどけい)は、分光光度計の一種で、光(励起光)を照射したときに試料から放出される蛍光を測定する装置である。

構成

蛍光光度計の概略図

装置の主要な部分は、光源・回折格子・検出器・チョッパーなどによって構成される。

光源

試料に照射する励起光の光源には、キセノンランプが一般的に用いられる。水銀ランプ、アルカリハライドランプが用いられることもある。

回折格子

回折格子分光器)は、特定の波長を得たり計測したりするために用いられる。蛍光光度計では、励起光に対するものと蛍光に対するものとの2つの回折格子が用いられる。計測する(蛍光に対する)波長を固定し励起光の波長を走査(スキャン)して得られるスペクトルを励起スペクトル、励起光の波長を固定し蛍光の波長を走査しながら計測して得られるスペクトルを蛍光スペクトルという。

検出器

蛍光を測定するための検出器には、光電子増倍管が一般的に用いられる。

チョッパー

光照射後、チョッパーによって一定時間だけ光を当てない時間を設けた後で測定することにより、燐光を測定することができる。

測定の前準備

測定対象がビタミンAやポルフィリンなど、蛍光性物質である場合は直接測定可能であるが、そうでない場合は蛍光ラベル化法などの方法で蛍光性をもたせる必要がある。

関連項目


蛍光分光法

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/07/10 14:02 UTC 版)

フォールディング」の記事における「蛍光分光法」の解説

蛍光分光法は、タンパク質折りたたみ状態を調べるための高感度手法である。フェニルアラニン(Phe)、チロシン(Tyr)、トリプトファン(Trp)の3つのアミノ酸固有の蛍光特性を持つが、TyrTrpのみが量子収率高く良好な蛍光シグナル得られるため、実験的に使用されている。TrpTyrは共に280 nm波長励起されるのに対しTrpだけは295 nm波長励起される。それらの芳香族性のため、TrpTyr残基は、タンパク質疎水性コア2つタンパク質ドメイン間の界面、またはオリゴマータンパク質サブユニット間の界面に、完全または部分的に埋もれていることがよくある。この無極性環境では、これらの残基は高い量子収率持ちそれゆえ高い蛍光強度を示す。タンパク質3次構造4次構造破壊されると、これらの側鎖溶媒親水性環境さらされるようになり、量子収率低下して低い蛍光強度になる。Trp残基については、その最大蛍光発光波長環境依存する。 蛍光分光法は、変性剤の値の関数として、蛍光発光強度または最大発光波長変動測定することにより、タンパク質平衡アンフォールディング英語版)を特徴付けるために使用される。ここで変性剤は、化学分子 (尿素塩酸グアニジニウム)、温度pH圧力などである。互いに異なるが離散的なタンパク質の状態、すなわち天然状態中間状態、アンフォールド状態の間の平衡は、変性剤の値に依存するため、それらの平衡混合物全体的な蛍光シグナルもこの値に依存するこのようにして全体的なタンパク質シグナル変性剤の値に関連付けるプロファイル得られる平衡アンフォールディングプロファイルは、アンフォールディング中間体検出し識別することを可能にする。Hugues Bedouelleによって一般的な方程式開発されそのようなプロファイルから、ホモマーまたはヘテロマーのタンパク質アンフォールディング平衡特徴づける熱力学的パラメータ三量体まで、および潜在的に四量体まで得ることができた。蛍光分光法は、ストップフロー(英語版のような高速混合装置組み合わせてタンパク質のフォールディング動態測定し、シェブロンプロット(英語版)を生成しPhi分析 (英語版) を導出することができる。

※この「蛍光分光法」の解説は、「フォールディング」の解説の一部です。
「蛍光分光法」を含む「フォールディング」の記事については、「フォールディング」の概要を参照ください。

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