芳香族化合物
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芳香族化合物(ほうこうぞくかごうぶつ、aromatic compounds)は、ベンゼンを代表とする環状不飽和有機化合物の一群。炭化水素のみで構成されたものを芳香族炭化水素 (aromatic hydrocarbon)、環構造に炭素以外の元素を含むものを複素芳香族化合物 (heteroaromatic compound) と呼ぶ。狭義には芳香族化合物は芳香族炭化水素と同義である。
注釈
- ^ 通常は臭化鉄などの適切な触媒が必要。
出典
- ^ Slayden, Suzanne W.; Liebman, Joel F. (2001-05). “The Energetics of Aromatic Hydrocarbons: An Experimental Thermochemical Perspective”. Chemical Reviews (American Chemical Society) 101 (5): 1541-1566. doi:10.1021/cr990324+. ISSN 0009-2665 .
- 1 芳香族化合物とは
- 2 芳香族化合物の概要
- 3 分類
- 4 非古典的芳香族性
- 5 関連項目
- 6 外部リンク
芳香族性
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/09/14 14:56 UTC 版)
アルソールの芳香族性は、環電子の非局在化及び共鳴に起因する。平面性と深くかかわっており、分子がより平面であれば、芳香族性はより強くなる。アルソール及びその誘導体の芳香族性は、実験と理論の両面で、長年論争の的になってきた。量子化学計算と組み合わせた2005年のレビューでは、芳香族であることが知られているピロールの40%の環電流であるため、アルソール自体は「適度に」芳香族性を持つと結論付けられた。しかし、長い間非芳香族と見なされてきたシクロペンタジエンでも同等の環電流が計算された。他の報告では、芳香族性及び平面性は、アルソール誘導体間で異なる可能性があることが示唆された。
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芳香族性
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/08/26 02:56 UTC 版)
詳細は「芳香族性」を参照 有機化学において、平面の環を持つ分子がヒュッケル則(π電子の数が4n +2; nは整数)に従う時、分子は追加の安定性と対称性を獲得する。原型的な芳香族化合物であるベンゼンでは、6つのπ結合性電子が存在する(n = 1, 4n + 2 = 6)。これら6つの電子は3つの非局在化π分子軌道を占有(分子軌道理論)、または線型結合した2つの共鳴構造における共役π結合を形成(原子価結合理論)し、仮想的な1,3,5-シクロヘキサトリエンよりも高い安定性を示す正六角形を作る。 複素環式芳香族ならびに置換ベンゼンの場合は、環の異なる部位間での電気陰性度の差が芳香環結合の化学的挙動を支配する。
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芳香族性
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2016/02/02 14:02 UTC 版)
コランニュレンは芳香族性を示すが、最初に合成を達成したバースとロートンはこれを内外二つの環構造を考えることで説明した。すなわち、コランニュレンは共鳴により分極して内側は6π電子系であるシクロペンタジエニルアニオン、外側は14π電子系である[15]アヌレニルカチオンと見るのである。コランニュレンという名称も彼らによる命名であり、このモデルに由来している(core + annulene)。なお、ロートンの夫人アン(Ann)の名が織り込まれているともいわれる。 しかしながら、後に理論化学計算からこの予測の妥当性に疑問が示されている 。
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芳香族性
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/05/19 14:25 UTC 版)
芳香族性は、π電子を持つ原子が環状に並んだ構造を持つ不飽和環状化合物に現れる。その中でも、電子基底状態で芳香族性を示す化合物は環上のπ電子系に含まれる電子の数が 4n + 2 (n = 0, 1, 2, 3, ...) 個であるもののみである。このような4n + 2個のπ電子を有する共役不飽和環構造を芳香環と呼び、またこの電子数の法則をヒュッケル則という。芳香環上のπ電子は非局在化し、環上にわたって分布している。また、共役の効率を高めるため環は平面構造をとる。このとき、π電子系とは二重結合由来のπ電子だけに限定されず、6員環である必要もなく、5員環の芳香族化合物も数多く知られている。例えばシクロペンタジエニルアニオンはアニオンの電子がπ電子系に関与し、あるいはチオフェンでは硫黄の孤立電子対がπ電子系に関与して芳香族性を現わす。このためチオフェンの硫黄原子を酸化し SO とすると硫黄の孤立電子対は酸素との結合に用いられるため芳香族性を失い、ジエンとしての反応性を示すようになる。 非局在電子に由来する磁気の遮蔽効果(核磁気共鳴などを参照)はあたかも環状の電流が存在するように作用するため環電流と呼ぶことがあるが、実際に電子が周回しているわけではない。前述の非局在化という言葉の示す通り、π電子は特定の場所にすら存在しておらず、全体として雲のように拡がっている(量子力学を参照)。ただ、実際に有機化学反応を考える場合、複数の共鳴寄与構造の間でπ電子が往来している、と考えた方が理解が容易になり、また、それで十分な場合も少なくない。 芳香族性は厳密な定義が存在しない概念であるが、上記の通り、構造的な特徴(結合長の同一化)、磁気的な特徴(環電流の発生)、エネルギー的な特徴(芳香族安定化)の3要素が芳香族性分子の条件とされている。
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「芳香族性」の例文・使い方・用例・文例
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