再開発とその後
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/02/23 15:00 UTC 版)
発足後の関西電力では、使用水量が少なく豊富な木曽川の水量を活かしきれていない古い発電所の再開発に着手した。その第一号として山口発電所が完成(1957年)すると、早急に着手可能として次に読書発電所に関する再開発を始めることとなった。再開発の初期計画では、読書発電所の既設木曽川取水堰を嵩上げして設備を増設するという水路式発電所増設計画が考案されたが、その後ダムを持つ調整池式発電所へと計画が改められた。その結果建設されたのが読書ダムであり、1958年(昭和33年)8月1日に着工、1960年(昭和35年)10月8日に湛水を開始した。 一方発電所の増設については、当初計画では既設地上式発電所の上流約300メートル付近に半地下式発電所として設置される予定であったが、地形・地質の関係から下流側へと改められ、さらに工事の都合上地下式発電所に変更された。関西電力では黒部川第四発電所に続く2番目の地下式発電所である。発電所はダム湛水に続いて1960年10月14日に通水を開始し、11月16日より営業運転に入った。当時の最大使用水量は73.00立方メートル毎秒で、有効落差112.16メートルを得て最大7万キロワットを発電した。なお新発電所は建設当初「読書第二発電所」と称したが、1965年(昭和40年)6月1日付で読書発電所に統合された。 地上式発電所については、1998年(平成10年)2月に老朽化設備の更新工事が完成し、使用水量はそのままに出力が2,300キロワット増強された。更新後の水車は三菱重工業製である。前述の通り1994年(平成6年)12月に本館建物が国の重要文化財に指定されていたため、更新工事に際しては建物外観をそのまま保存している。地下式発電所については、2004年(平成16年)3月に発電所出力が2,700キロワット増強され(使用水量・有効落差は変更なし)、次いで2014年(平成26年)8月に1,900キロワット引き上げられた。これらの結果、読書発電所の発電所出力は計11万9,000キロワットとなっている。
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