入学制度
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/10 23:36 UTC 版)
2021年 各校データ一覧大学名合格率 (%)学部生数ハーバード 3.4 7,447 コロンビア 3.7 6,363 プリンストン 4.0 5,236 イェール 4.6 5,471 ブラウン 5.4 6,580 ペンシルベニア 5.7 10,698 ダートマス 6.2 4,230 コーネル 8.7 14,471 アイビー・リーグを構成する8校はすべて『USニューズ&ワールド・レポート』誌が毎年発行する国内大学ランキングで常に15位以内に位置しており、いずれの学校も入学は米国で最難関のグループである。 入学に際してはSATなどの統一入学試験で高得点を取るのに加えて高校の成績も優秀であることが要求されるが、アイビー・リーグ8校は、学力だけでなく学生の全体像を評価するホリスティック入試 (holistic admission)を行っている。 このホリスティック入試では、高校時代の運動・芸術面でのすぐれた業績、ボランティア活動や地域への貢献が重視されるほか、貧困層家庭であるとか、親が大卒ではなく家族の中で初めて大学に進学する「ファースト・ジェネレーション (first generation)」と呼ばれる生徒であるといった条件も考慮される。また「積極的差別是正措置(アファーマティブ・アクション affermative action)」と呼ばれる措置によって黒人やヒスパニックなどマイノリティ人種であることが考慮される場合もある。 一方で、親や親戚にその大学の卒業生がいる者は「レガシー (legacy)」と呼ばれて有利になると考えられており、実際にハーバード大学ではレガシーの合格率は一般志願者の5倍の30%近くにもなる。 各校とも年間の学費が5万ドル(約500万円)近くかかることから、一般家庭出身の学生が入学できないという批判がかつて行われていた。しかし現在では8大学すべてが入学前に保護者や本人の経済状況を確認しない制度 (Need-blind admission) を導入しているほか、合格者には家庭の負担能力に応じて奨学金を出しており、40 - 70%の学生が大学から奨学金を得ている。 そのうえアイビー・リーグ8校は国内の他大学に比べて財政状態が安定しているため、多くの場合、奨学金支出の基準もきわめてゆるやかに設定されている。例えばアメリカの平均世帯所得が約5万ドル(約500万円)であるのに対して、ハーバード大学では6万5000ドル(約650万円)を「低所得」の基準としていて、これ以下の世帯所得の学生の大学生活にかかる費用は、授業料・生活費も含めて大学側が全額をカバーしている。 大学間の学生獲得競争はかなり激しい。各校ともこれまでアイビー・リーグに生徒を送ったことのない高校にも積極的にリクルーターを送り込んで優秀な学生の発掘を行っているほか、低所得者層の多い地区で奨学金制度の説明に努めたり、最近では中国やシンガポール、インドなどで大規模な説明会を繰り返して優秀な留学生を呼び込もうとしている。獲得競争が激化するなか、2002年には、プリンストン大学の入試担当職員がイェール大学の入学選抜ウェブサイトから併願者の情報を盗み見る事件が起き、プリンストン大学の入学事務室長が辞職する事態に発展している。 「アメリカ合衆国の高等教育#奨学金」も参照
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