大学での生涯教育
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/07/04 15:44 UTC 版)
近年の日本では大学の社会人入学制度などを利用しキャリアアップを図ることなどが、生涯学習の例として目立ってきている。ただし、アメリカでは、経営学修士(MBA)を取得すると給料が数倍に跳ね上がるという経済的メリットがあるが、[要出典] 日本の企業では、そうした学位による経済的効果はあまり期待できない。そのため、働き盛りの人があえて休職や退職してまで大学(学部および大学院)で学ぶのは魅力に乏しく、男性の社会人入学が少ない要因になっている。 日本では、社会人入学制度は女性や高齢者が自らの学歴を高めることを目的に利用する例が多く、とくに放送大学等の通信制大学はその傾向が顕著である。そのため、中年男性の社会人入学に対する偏見がまだ残っているとの指摘もある。また、大学教育では、教授が作成した学習カリキュラムを受講生に押し付けがちで、学生が主体となってカリキュラムを作成していくという形式にはなりにくい。「自らデザインし、自ら学ぶ」、「自分で学ぶ」という行為も教育の本来の姿として考える立場からは、満足できない環境が多い。 ただし、バブル経済前後までは女性に求められた学歴が「短大・専門卒」が多く、彼女らのキャリアアップとして大学通信教育編入学によるエクステンション教育が行われ、4年制大学卒業(学士の学位授与)が大きなモチベーションとなっており、公務員・大企業では俸給区分が大卒に格上げされることが認められる場合があるなど、実質面でもメリットもある。 大学における生涯学習では、少子化、大学全入時代を前に手持ちの教育インフラが活用されている。文部科学省の指導もあって、現在では昼夜開講制や夜間大学院の制度を導入して社会人でも高度教育を受けられるようにカリキュラム編成をしている大学もあるが、修士・博士課程は単なる箔付けや自己満足になりがちであるという弊害も存在している。
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