健康増進法改正について
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受動喫煙の防止に罰則付きを盛り込んだ健康増進法改正案の成立に取り組んでいる。厚生労働大臣時代は、改正案の内容を巡り自民党たばこ議員連盟を中心とした規制反対派と対立する形となりながらも、科学的に証明をされている受動喫煙の被害をなくしていくという観念から、建物内原則禁煙の立場を譲らなかった。 2016年10月11日、公共の場での受動喫煙対策について「厚労省として立法措置を含めて検討を進めている」と公表した。 2016年12月9日、2020年東京オリンピック・パラリンピックに向けてたばこの全面禁煙を原則とする制度案をまとめた。当初案は、医療機関や学校は敷地内禁煙。官公庁やスタジアムは建物内禁煙。飲食店や事業所は建物内禁煙だが、喫煙室の設置は容認するという内容だった。 2017年2月15日、厚生労働部会にて法案の概要を示したが、出席した規制反対派の議員から「非現実的だ」「五輪のためなら東京だけでやれ」などの異論が噴出した。 2017年3月1日、厚生労働部会での反対意見を受け、飲食店に関しては延べ床面積30平方メートル以下の小規模なバーやスナックは原則禁煙の例外とするなどの修正案を公表した。 2017年3月2日、参院予算委員会において、小鑓隆史から「小さな焼き鳥屋さんのような店は(たばこが吸えなくなれば)廃業や厳しい状態になる」「個々の判断に任せるのが最大の分煙対策ではないか」と批判されたことに対し、「妊婦、子供、がん患者らの健康が、喫煙の自由よりも後回しにされる現状は看過できない」と主張した。 2017年3月7日、自民党たばこ議員連盟は修正案に対し、「禁煙・分煙・喫煙」の表示を義務化して分煙を維持する対案をまとめた。厚生労働省は対案を受け、「がん患者や妊婦にとっては受動喫煙防止は権利ではなく、生きるために不可欠なものだ。議連案では望まない受動喫煙を防げない」と反論したが、3月10日頃を想定していた法改正案の閣議決定は断念することとなった。 2017年5月9日、自民党が厚労省案の規制を緩める方針を固めたことを受け、「職場の歓送迎会や会合・会食などで喫煙可能な店だったときには、事実上これは拒否できないので、望まない受動喫煙“イヤイヤ受動喫煙”こういう事態を強いられることになる」として自民党案の問題を指摘した。 2017年5月15日、厚生労働部会にて厚労省案の説明を行ったが、規制賛成派と反対派の双方から意見が噴出し、議論は平行線を辿った。 2017年5月24日、茂木敏充政調会長との会談で自民党案の丸のみを求められたが、「この案では国民の健康増進につながらない」として茂木の要請を拒否した。 2017年6月6日、第193回国会に健康増進法改正案は提出されなかった。 2017年6月16日、参議院予算委員会にて松沢成文から「次期国会に再びチャレンジする覚悟はあるか」と尋ねられ、「次期国会への法案提出を目指し、自民党と誠意を持って今後も協議を続けていくことで成案を得たいと考えている」として、次期国会での法改正に意欲を示した。 2017年8月3日、内閣改造に伴い厚生労働大臣の座を退任。後任の加藤勝信に法改正の後事を託す形となった。 2018年2月に厚生労働省から出された修正案が「客席面積が100平方メートル以下の飲食店は喫煙を認める」という案であったことについて、テレビ東京のワールドビジネスサテライトに出演した際に、「これは受動喫煙防止法ではなく、受動喫煙促進法だ」と批判した。
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