保険外併用療養費
別名:保険外併用療養費制度
厚生労働大臣によって定められた特定の混合診療が行われた場合に、その全体の医療費のうち、通常の保険診療にあたる部分の医療費を保障するために給付される金、またその制度。
2013年6月時点で、日本では保険診療と保険外診療の併用、いわゆる混合診療が禁止されている。一般的にそれらを併用した場合は全体が保険外診療とみなされ、医療費は全額負担になる。
厚生労働省によると、厚生労働大臣が定める評価療養と選定医療が行われた場合は保険診療と保険外診療の併用が認められている。その場合、医療費全体のうち、通常の治療と共通する診察料や検査料金などに該当する項目に給付されるのが保険外併用医療費である。ただし保険外併用療養費が給付された場合でも、自由診療分(保険外診療分)は患者の自己負担になる。
保険外併用療養費は国民がより幅広い選択肢から自由に医療サービスを選択でき、利便性の向上などが見込まれる一方で、十分な安全性のない医療が実施されてしまうおそれなどがある。
2013年6月5日、安倍晋三総理大臣は、iPS細胞を利用した再生医療を先進医療とみなし、保険外併用療養費の一つとして適用していく考えを示した。
関連サイト:
保険診療と保険外診療の併用について - 厚生労働省
ほけんがい‐へいようりょうようひ〔ホケングワイヘイヨウレウヤウヒ〕【保険外併用療養費】
保険外併用療養費
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/06/02 22:44 UTC 版)
保険外併用療養費(ほけんがいへいようりょうようひ)とは、健康保険法等を根拠に、日本の公的医療保険において、被保険者が保険給付の対象外のものを含んだ療養について、保険対象部分の保険給付を行うものである。健康保険法等の改正により、2006年(平成18年)10月より従前の特定療養費制度を置き換える形で導入された。
注釈
- ^ 第86条1項は「その療養に要した費用について、保険外併用療養費を支給する」と定めることから、制度の本質は現金給付であるが、同条4項で準用する第85条5項、6項の読み替えにより「保険者は、その被保険者が当該病院又は診療所に支払うべき評価療養、患者申出療養又は選定療養に要した費用について、保険外併用療養費として被保険者に対し支給すべき額の限度において、被保険者に代わり、当該病院又は診療所に支払うことができる」「前項の規定による支払があったときは、被保険者に対し保険外併用療養費の支給があったものとみなす」となり、実際には現物給付としての運用がなされている。
- ^ 「再診」とは、病状が安定し、医師により、他の医療機関に対し紹介を行う旨の申し出を行ったにもかかわらず、引き続き当該医療機関を受診した場合をいう。
- ^ 厚生労働省の通達により、この場合の金額として、初診の場合5,000円(歯科は3,000円)以上、再診の場合2,500円(歯科は1,500円)以上と定められている(平成28年3月4日厚労告51号)。
出典
- ^ 平成27年厚生労働白書
- ^ 松岡樹、佐々木主税「救急車「軽症有料」に賛否 出動数抑制/呼びにくい 入院しない患者に7700円 松阪市きょうから」『読売新聞』、2024年6月1日。
- ^ a b c 主な選定療養に係る報告状況2021年9月15日の第488回中央社会保険医療協議会総会に示された資料
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