作家活動期
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/22 14:18 UTC 版)
レムの作家活動は、1984年の自伝で述べられる3つの時代と、それ以降の2つの時代で大きく分けられる。 初期(1946年 - 1958年) 当時の社会主義リアリズムが支配的な出版状況下で書かれた、『失われざる時』などの現代小説、『金星応答無し』『航星日誌』などのSF小説。自身は「楽天主義」「二流の作品ばかり」と述べるが、これらによって国内、東欧における名声を得た。 第2期・SF小説の時代(1959年 - 1969年) ファーストコンタクト三部作と言われる『エデン』『ソラリス』『砂漠の惑星』などのSF小説の傑作を書く。自身「すでに他の者達に全面的に占拠されている領土の果てにまで達した」と述べ、またこれらの作品によって西欧でも高く評価されるようになり、現代SFの最高峰と見なされている。並行してメタミステリ作品『捜査』『浴槽で発見された手記』など、人間の認識の限界に挑む作品や、『技術大全』などの評論集も書いた。連作短篇集『宇宙飛行士ピルクス物語』では、人工知能論、システム論とバグの問題、シミュレーション科学などに基づくアイデアを扱っている。 第3期・超フィクションの時代(1970年 - 1980年) 架空の本の書評集『完全な真空』、実在しない未来の本の序文集『虚数』といったメタフィクションに挑む。 第4期・SF回帰の時代(1981年 - 1987年) メタフィクション『挑発』『二十一世紀図書館』、SF小説として『現場検証』『地球の平和』『大失敗』、その中間的な『GOLEM XIV』など。最後の長編小説となった『大失敗』は「二十世紀SFの巨匠の創作活動の掉尾を飾るにふさわしい集大成」と評された。 第5期・小説からの撤退(1988年 - 2006年) 評論集、対談、書簡集などを出版。
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