位階対応とは? わかりやすく解説

位階対応

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2018/02/13 14:25 UTC 版)

礼冠」の記事における「位階対応」の解説

天皇 冕冠といい、礼冠に羅を張った枠を取り付けそこから玉を貫いた糸を垂らすもの。中心に火炎模様似た飾りをつけた搭形の金具突き出しており、縁には中心に宝玉をはめ込んだ小さな花形の金具が並ぶ。前面中央には立てて放射状光を放つ金烏太陽のシンボルである三本足の烏)を飾り付けた女帝資治通鑑永昌元年689年正月条の萬象神宮祭祀記事で「太后袞冕」とあり、則天武后は男帝と同じ冕冠使用している。また、平安初期正倉院宝物点検記録の『延暦十二年曝凉帳』『弘仁年官勘録』に孝謙天皇礼冠について「禮服御冠二箇(禮冠一箇、有旒。以雜玉餝)」とあるように、奈良時代女帝の冠も「旒」という冕冠垂れ飾りあったらしい。平安後期の『長元礼服御覧記』によれば櫛形が無い小ぶりな冠で、押鬘の上三つ花の形を作って花枝の形の飾り金具飾り付けた正面やや左に立てるとあるが、注記右側のものが「落失」したかとあり、この時点であまり保存状態良くなかったらしい。御物後桜町天皇礼冠(霞会館光格天皇と幻の将軍』展図録 7頁)が現存するが、『長元礼服御覧記』の記事にはあっていない。むしろ能で使われる天冠似ている。なお、後桜町天皇礼冠には笄と夾形が添えられており、夾形はみずらを結ぶリボンであることから、このときは御総角に結われたものであろう親王 四品上の親王金メッキの輪をはめ、冠上部水晶三粒、琥珀三粒、青玉三粒を取り付ける櫛形周囲飾り付けられ長い花の形の「」という宝石台白玉を各八粒、前後の押鬘のに紺玉二十粒をはめる。徴は順に、一品は尾を高く頭を低く右向きで左を振り返る青龍二品右向きで左に振り返る朱雀三品は尾を巻き上げて頭を低くし右に構え白虎四品右向き後ろ振り返る玄武諸王姿勢が違うだけで同じの徴、三位以上は正位正面向いて頭を上げ従位正面向いて項垂れる正四位の上左向きで右に顔を向け、下は右向きで左に顔を向ける。従四位及び五位は上は右向きで左に振り返り、下は左向きで右に振り返る。一位の王は金メッキの輪に、琥珀五粒、緑玉六粒を冠に取り付け櫛形黒玉八粒を、押鬘に緑玉二十粒をはめる。二位及び三位の王は金メッキの輪に、琥珀五粒、緑玉五粒、白玉一粒を冠に取り付け赤玉琥珀)八粒を櫛形に、押鬘に緑玉二十粒をはめる。四位は輪の型・押鬘・金メッキで他は銀メッキ琥珀五粒、緑玉六粒を冠に取り付け櫛形には宝玉無く、押鬘の前に白玉十粒、後ろ青玉十粒をはめる。五位銀メッキの輪をはめ、押鬘の前に黒玉十粒をはめるほかは四位と同じ。 臣下 徴は麒麟向き諸王準じる一位櫛形に紺玉八粒をはめる他は一位の王と同じ。冠に取り付ける玉が緑玉五粒、白玉三粒、赤黒玉三粒になると二位二位の冠の櫛形黄玉八粒をはめると三位の冠になる。四位赤玉六粒、緑玉五粒を冠に取り付けるほかは四位の王と同じ。五位は冠に緑玉五粒、白玉三粒、赤黒玉三粒を取り付けるほかは五位の王と同じ。なお、近世礼冠官庫からの貸与になったため、着用者にあわせて正確に玉の色や徽を変えることができず、規定合わないものも使用された。『言成卿記によれば孝明天皇即位にあたって延喜式』による改造図られているが、即位礼直前参列交替の分については玉の付け替えができなかったという。

※この「位階対応」の解説は、「礼冠」の解説の一部です。
「位階対応」を含む「礼冠」の記事については、「礼冠」の概要を参照ください。

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Weblio辞書に掲載されている「ウィキペディア小見出し辞書」の記事は、Wikipediaの礼冠 (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。

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