仏教での使用
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/09 06:52 UTC 版)
密教用語では、法螺は、「ホラ」ではなく、「ホウラ」と読む。如来の説法の声を象徴し、その音を聞けば、罪は消滅し、極楽に往生できると経典に記され(後述書 p.152)、衆生の罪の汚れを消し去り、悟りに導く象徴として法螺が吹かれた。空海が持ち帰ったともされ、灌頂の際には阿闍梨が受者に法螺を授けた。 修験道では、「立螺作法(りゅうらさほう)」と呼ばれる実践が修行される。立螺作法には、当山派・本山派などの修験道各派によって流儀を異にし、吹奏の音色は微妙に違う。大まかには乙音(低音側)、甲音(高音側)、さらには調べ、半音、当り、揺り、止め(極高音)などを様々に組み合わせて、獅子吼に擬して仏の説法とし、悪魔降伏の威力を発揮するとされ、更には山中を駈ける修験者同士の意思疎通を図る法具として用いられる。軍用の法螺は三巻半の貝が用いられ、山伏の法螺は三巻の貝が用いられた。 昭和初期に発表された醍醐寺三宝院当山派本間龍演師の『立螺秘巻』は、その後の修験者、とりわけ吹螺師を修行する者の必須テキストとして評価伝承されている。 東大寺二月堂の修二会(お水取り)では、堂内から鬼を追い祓うため、法螺貝が吹き鳴らされる。重要文化財の『二月堂修中練行衆日記』には足利義満が1391年(明徳2年)に二月堂を訪れ、修二会で使われる「尾切」及び「小鷹」という銘の法螺貝の音を楽しんだという記録がある。 秋田県の俗信に「山伏が法螺を吹くと雨が降る」というものがある。
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