仏教での概念
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/11 10:09 UTC 版)
感謝を表明する「ありがとう」という日本語は、法句経の一節「ひとの生をうくるはかたく、死すべきものの、生命あるもありがたし」という、人として生まれた「有り難さ」と命の尊さを伝える言葉が語源とする説がある。他にも、人間として生まれることの「有り難さ」を釈迦が盲亀浮木(百年に一度海面に浮上する目の見えない亀が、大海を漂う一本の流木に開いた穴に偶然頭を入れるくらい滅多に起こらない事)に例えて弟子に説く話が、涅槃経や譬喩経に見られる。いずれも、この世に生を受けたこと自体が「有り難い」喜びであり、そのことを感謝しましょうという教えである。このほか「ありがとう」の気持ちを行動で表す実践として、金銭が無くとも実行できる「無財の七施」で周囲に喜びを与えなさいという教えが雑宝蔵経で説かれている。 なお、神への感謝が大きな要素になる西洋宗教に比べ、仏教では感謝の対象として必ずしも神仏だけに重きを置いてはいない。釈迦の言葉に「自分を少しでも助けてくれる人があったら一生その人の恩は忘れないこと、恩を忘れるのは人間らしくない」という説法があり、人生において仲間や周囲の人達に対して感謝の心を抱くことの重要性が説かれている。
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