人種間の混血
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/02/18 00:37 UTC 版)
「アメリカ合衆国の人種構成と使用言語」の記事における「人種間の混血」の解説
混血には人類学上の人種間の混血と文化人類学上の民族間の混血があるが、国勢調査では、白人(人種)とインド人(アジア系、民族)は人種間の混血(Combination)として扱われ、逆にインド人(アジア系)と日本人(アジア系)の場合は人種間の混血として扱われない。国勢調査では人種の質問の中で項目を2つ以上選択または2つ以上記述した場合としており、集計報告では「2つ以上選択」と表示しており、混血(mixed race)とは表示していない。本来であればこの記事の記述でも「2つ以上選択」と表示するべきであるが、読みやすさを考慮して「混血」と表示する。 出自(民族)間の集計は、正規版の調査票に基づいて別途集計されており、後述する。 混血の定義の前提となる親自身の人種の確定が前述したように困難を伴うので、3代(曾祖父母)以上遡った血筋の認識は薄いと思われる。さらに、この集計では白人間であれば、例えばイギリス人(白人)とイラン人(白人)の混血は混血と見なされないが、イギリス人(白人)とインド人(アジア系)の両方が選択された場合は混血に分類している。よって以下に記述する混血率2.9%は混血率というより、集計報告に記述されているように「複数を選択した率」と理解されるべきである。 意外に[誰によって?]低い混血の集計結果であるが、出自確定の困難度に加え、アメリカ人であるという自意識の高さもこの混血の数値を引き下げている。出自の節で述べるが、民族にアメリカ人(先住民では無く)と記述した数が最大であったが、これはアメリカ人であるという自意識(愛国心)の強さと同時に、先祖の確定の難しさを反映しているものと思われる。 さらには被差別人種であった少数民族の祖先を隠す、子に伝えないなどの要因もあると思われる。 詳細はen:Multiracial#United Statesおよびen:Multiracial Americanを参照。米国では20世紀半ばまで多くの州で人種間の結婚を禁止していた。西海岸の州ではアジア系と白人の結婚が禁止されていた。1967年にバージニア州で白人男性と黒人女性が結婚し懲役1年の判決を受けたが、上告し合衆国最高裁判所がバージニア州法は違憲であると判決し、残っていた南部17州で婚姻が認められるようになった。詳細はen:Loving v. Virginiaを参照。詳細はen:Interracial marriage in the United Statesを参照。 国勢調査の結果では人種欄で2項目以上記入したものは900万人で全人口の2.9%であったが、人種間での混血が100人あたり3人は明らかに現状を反映していない。この数値は10年前の調査から32%増加しており、増加分の多くは10歳以上であるので、前回は単一人種と記入した者が今回は混血と記入したということである。これは若い世代の混血に対する柔軟な認識によるものである。 混血900万人の内訳を見ると、少数民族では混血の比率が高くハワイおよび太平洋地域の先住民の混血の比率は55.9%、アメリカ・インディアンとアラスカ先住民では43.8%となっていた。その他の人種ではアジアン15.3%、黒人は7.4%、白人は3.2%となっていた。人数では白人と黒人の混血が一番多く20.4%の183万人であった。その他黒人とアメリカ・インディアン、アラスカ先住民との混血が174万人(19.3%)、白人とアジア人が162万人(18.0%)、白人とアメリカ・インディアン、アラスカ先住民との混血が15.9%の143万人(15.9%)となっていた。3つ以上の人種の混血は74万人であった。 白人の混血率をヒスパニック系か否かでみると非ヒスパニック系の白人では504万人で2.5%であったが、ヒスパニック系の白人では245万人で8.4%であった。同様に黒人の混血率をヒスパニック系か否かでみると非ヒスパニック系では244万人で6.1%であったが、ヒスパニック系では65万人で34.5%であった。
※この「人種間の混血」の解説は、「アメリカ合衆国の人種構成と使用言語」の解説の一部です。
「人種間の混血」を含む「アメリカ合衆国の人種構成と使用言語」の記事については、「アメリカ合衆国の人種構成と使用言語」の概要を参照ください。
- 人種間の混血のページへのリンク