人種・女性差別問題
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/01/05 19:53 UTC 版)
「ハリウッド外国人映画記者協会」の記事における「人種・女性差別問題」の解説
2021年2月、ロサンゼルス・タイムズは同協会が、80人程度の少人数で構成されていること、20年近く新たに黒人会員を迎え入れておらず現在黒人会員が0名である事などの問題点を指摘した。 ドラマ『グレイズ・アナトミー』のクリエイターなどで知られるションダ・ライムズは、アフリカ系を起用したドラマ『ブリジャートン家』の記者会見を行ったところ、HFPAの記者が一人も来なかったと暴露。これを切っ掛けにHFPAが以前からアフリカ系の俳優が主役を務めるドラマや映画を冷遇していたのではないかという疑惑が持ち上がった。 在米韓国人であるリー・アイザック・チョンが監督を務めた『ミナリ』が、台詞の半分以上が英語であるという作品賞の条件に適合しないことから、作品賞ではなく外国語映画賞にノミネートされたことで批判が殺到した。 同年5月7日、AmazonとNetflixがゴールデングローブ賞をはじめとする協会との関係をボイコットすると発表した。続く5月10日、HBOなどを傘下に持つワーナーメディアがボイコットを発表した。 同日、長らくゴールデングローブ賞を放送してきたNBCが、2022年の授賞式の放送を行わないと表明した。ドラマ『ある家族の肖像/アイ・ノウ・ディス・マッチ・イズ・トゥルー』で第78回ゴールデングローブ賞の主演男優賞を受賞したマーク・ラファロは「この賞をもらったことを誇りに感じられないし、うれしいとも思えない」とNBCの決定を支持した。 俳優のスカーレット・ヨハンソンは声明を発表し、HFPAの記者会見ではセクハラや性差別的なコメントが多いと指摘。「抜本的な解決策が取られるまで我々はHFPAから距離を置くべきだ」と俳優に呼びかけた。これを受け、これまで7回ノミネートされ、主演男優賞や助演男優賞など計3度受賞している俳優のトム・クルーズが、贈られた3つのトロフィーをすべてHFPA本部に返却していた事がABCテレビやピープル誌などによって報じられた。ハリウッド俳優の中でもトップクラスの俳優が同協会に抗議する姿勢を表明したことで、他の俳優たちが後に続く可能性は高いと見られている。反HFPA運動をしてきた映画監督のエヴァ・デュヴァネイは、「女性差別、ゲイ差別、人種差別的なやり方で排他やハラスメントをし、偏見をもつHFPAに抗議するため、トム・クルーズは、もらったゴールデングローブを箱に入れてHFPAの受付に送り返してくれた」と行動を賞賛した。 10月1日、HFPAが新会員21人の追加を発表した。このうち約半数が女性、黒人も6人含まれており、批判を受けたことで多様性を意識した増員となっている。声明では「この8か月にわたって協会の規約を見直し、倫理と行動規範、多様性、平等性、包括性、ガバナンス、会員などを抜本的に変えた」と体質改善をアピールした。 12月13日、協会が第79回ゴールデングローブ賞のノミネート作品を発表。来年1月の授賞式の中継を見送ったNBCは、多くの俳優が同賞のボイコットを表明していると報道した。また、ハリウッドの100以上の芸能事務所は、協会側の「深遠で永続的な変化」が証明されない限り、同賞を受け入れないとする意向を示した。
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