井上馨臨時首相代理と一銭一厘問答とは? わかりやすく解説

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井上馨臨時首相代理と一銭一厘問答

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/12/17 08:55 UTC 版)

在廷ノ臣僚及帝国議会ノ各員ニ告ク詔勅」の記事における「井上馨臨時首相代理と一銭一厘問答」の解説

12月3日から衆議院予算委員会委員長:河野広中)での明治26年予算の審議開始されたが、委員会予算案歳出総額8,376万円のうち、新艦建造332万円全額含めた885万円削減要求した政府はこれを受けて対応を協議したが、議会衆議院)との妥協主張する後藤象二郎農商務大臣強硬策を唱える山縣有朋司法大臣との間で意見一致せずベテランとはいえ準備もないままに突如内閣首班代行することになった井上もその対応に苦慮していた。井上静養中の伊藤手紙送って協議した結果吏党民党もともに倒閣画策していると判断して山縣意見を採る事とした。 明けて1893年明治26年1月16日井上臨時首相代理先年衆議院決議基づいて義務的経費相当する345万円削減(ほとんどが新艦建造費)は認められない答弁した。これに民党吏党ともに反発したが、直後開かれた予算委員会において尾崎行雄が「一銭一厘たりとも政府提出原案違って行政機関の運転を円滑に法律上責務尽すことが出来ぬと言うでありますか?」と質問した際に渡辺国武大蔵大臣直ちに「その通りであります」と答弁し(「一銭一厘問答」)、更に同日政府に対して再考求め河野委員長発議動議を翌17日井上拒絶表明した事から、議会総理大臣がいない政府弱体見てさらに攻勢をかけ、政府反省求めて22日までの休会宣言した。これによって政府議会全面対決した状態で双方睨み合い続け事となった。 その頃伊藤側近で元法制局長官井上毅伊藤博文井上馨に対してこの状況打開するために天皇から詔勅下して憲法66条によって不可侵とされていた「帝室費」の下賜政府行政整理約束引換に新艦建造議会認めさせる方策提案していた。井上毅衆議院予算審議巡って近いうちに天皇の上奏を行うのは確実であること、天皇がそれに対して勅答相当する詔勅下す必要があるが、天皇勅答拒絶したり、政府一方的に有利な勅答下せ天皇非難飛び火する可能性がありその尊厳が傷つけられること、そもそも67条の義務的経費規定新規事業である新艦建造適用することは64条規定に違反する可能性があること、それを防ぐには民党に対して何らかの譲歩見せなければならないことを説き天皇に「政治的中立仲裁者」を演じさせる事によって政府議会衆議院)の両者妥協図ろうとしたのである。実は井上毅前年5月第2次松方内閣選挙干渉を巡る問題において政府議会緊張した際にも同様の提案したものの、吏党側が過半数占めていた事や「天皇の政治利用」に反対する意見出て採用されなかった経緯があった。だが、伊藤らは衆議院圧倒的多数政府反対している中で天皇政府の立場弱くしない形で予算案通過させるには、詔勅による仲裁期待するかないと判断したのである

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