井の中の蛙
井の中の蛙(いのなかのかわず)とは、自分の知識や経験が限られた範囲内に留まり、広い世界や多様な視点を知らない状態を指す言葉である。この表現は、井戸の中だけを世界と思い込んでいる蛙の姿から来ており、狭い環境や思考に囚われている人を戒める意味合いを持つ。また、自己の視野を広げ、多角的な知識を得ることの重要性を示唆している。 この言葉は、古代中国の哲学者、荘子による故事から発祥し、日本においても広く知られるようになった。現代では、自己満足に陥りがちな人や、新しい知識や経験に対して閉ざされた態度を取る人を指摘する際に用いられる。井の中の蛙は、自らの限界を認識し、常に学び続ける姿勢の大切さを教えてくれる。
井の中の蛙
井の中の蛙
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/08 08:57 UTC 版)
「wikt:井の中の蛙大海を知らず」も参照 井戸の中にいる蛙は、自分が一番大きな生き物だと思っていた。しかし、それを海亀が覗き込む。その体は蛙より何倍も大きく、彼は蛙に「こんな狭いところで何をしているのか?」と不思議そうに訊ねた。蛙はそれが聞き捨てならず、海亀にここの住み心地のよさを教え、彼に井戸に入るよう勧めるが、海亀は狭すぎて入れたものじゃないと答える。続けて海亀が自分が住んでいる海の広さを語ると、蛙は驚いた。 これはある儒者が、荘子の教えを聞いてからは自分の考えが世に通用しないのを憂い、友人に相談を持ちかけたところ、その才のある友人が窘めたたとえ話である。つまり、この男はその儒者に「まだまだ考え方が狭い。だから、もっと広い視野で学問を見よ」と暗示したのである。 このことから、見識が狭いこと、またそのような人を井蛙、井蛙の見などと呼ぶようになり、日本では井の中の蛙大海を知らずということわざで知られるようになった。さらに、日本に伝わったのちに「されど空の深さ(青さ)を知る」という続きが付け加えられたとされる。
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井の中の蛙
「井の中の蛙」の例文・使い方・用例・文例
- 世間知らずにもほどがある。井の中の蛙大海を知らず、ということかね。
- 井の中の蛙、大海を知らず。
- 井の中の蛙(かわず)大海を知らず.
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