一般的な対応
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/24 10:08 UTC 版)
学校現場では早期対応、家庭訪問、個別指導などの対応が行われる。 不登校問題が深刻化して以降、学校毎にスクールカウンセラーが配置されるなど専門家による対応が実施されている。 また教室に入れない児童生徒は保健室登校や、教育支援センター(適応指導教室)など学校以外(一部は学校内に設置されるものもある)の教育環境が提供され学習指導などが行われる。 ただし、いじめなどで不登校になった場合、その原因となった人間関係があるために保健室等であっても登校することができないケースやそもそも自宅から外へ出ることができないケースがある。これらの場合は家庭訪問などで対応がなされるが、保健室や教育支援センターでの指導に比べ十分な時間や内容が確保しにくい。 保護者の対応としては、不登校に詳しい臨床心理士、精神科医、学校や行政の担当者などと相談しつつ、専門的に解決していくことになる。 保護者が適切な登校刺激を与えれば、早期の再登校につながる場合もあるが、不適切な登校刺激が事態の深刻化を招く場合もある。 一方で、一見すると不適切とも思える登校刺激により再登校に至った事例もあれば、放置により不登校の長期化する可能性もある。 このように、登校刺激への反応は、生徒によってケース・バイ・ケースであり、複雑である。場合によっては、必ずしも再登校を目標としない選択も考えられる。 学校による登校刺激については、再登校に有効な学校の措置があること、また、登校刺激の方法によって効果に違いのあることが統計で示されている。 「『指導の結果登校する又はできるようになった児童生徒』に特に効果があった学校の措置」(複数回答可)は、中学校では、「家庭訪問を行い、学業や生活面での相談に乗るなど様々な指導・援助を行った」が63.1%で最も高く、以下、「登校を促すため、電話をかけたり迎えに行くなどした」が60.9%、「スクールカウンセラー等が専門的に指導にあたった」が57.1%、「保健室等特別の場所に登校させて指導にあたった」が48.7%、「保護者の協力を求めて、家族関係や家庭生活の改善を図った」が45.4%、「不登校の問題について、研修会や事例研究会を通じて全教師の共通理解を図った」が41.6%、「全ての教師が当該児童生徒に触れ合いを多くするなどして学校全体で指導にあたった」が39.9%などとなっている(以下省略)。 また、小学校では、「登校を促すため、電話をかけたり迎えに行くなどした」が35.6%、「家庭訪問を行い、学業や生活面での相談に乗るなど様々な指導・援助を行った」が32.3%、「保護者の協力を求めて、家族関係や家庭生活の改善を図った」が27.8%、「不登校の問題について、研修会や事例研究会を通じて全教師の共通理解を図った」が26.2%などであり(以下省略)、中学校と比べて全体的に低い数値となっている。 栃木県宇都宮市は2007年度から、「1日休んだら電話、2日続けて休んだら家庭訪問」の実施など、不登校に組織的な対応を行った。同市内の中学校の不登校率は、2008年度をピークに減少に向かい、2012年度には不登校率が3.21%と過去13年間で最少となった。また、小・中学校とも連続的な欠席者が減り、日数も89日までの短期間欠席の割合が増えた。 保護者などによる暴力的な登校圧力は、教育行政の進歩や、世論の理解において死者が出たことなどにより、現在では更生施設共に推奨されていない。 監禁など犯罪に巻き込まれたことが原因で不登校となった児童・生徒に対しては、保護者や当人が在籍している・いた・する筈だった学校等が不登校期間中の学習をサポートするケースが多い。
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