ロシア5人組に対するチャイコフスキーの個人的懸念とは? わかりやすく解説

Weblio 辞書 > 辞書・百科事典 > ウィキペディア小見出し辞書 > ロシア5人組に対するチャイコフスキーの個人的懸念の意味・解説 

ロシア5人組に対するチャイコフスキーの個人的懸念

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2018/03/20 14:54 UTC 版)

チャイコフスキーとロシア5人組」の記事における「ロシア5人組に対するチャイコフスキーの個人的懸念」の解説

チャイコフスキー彼の支援者であったナジェジダ・フォン・メック交わした無数の議論中にロシア5人組話題もあった。フォン・メックに5人組メンバーについて伝えた1878年1月までには、彼は彼らの音楽界理想からは遠く流れ去っていた。加えて5人組最盛期過ぎ去って久しかった。オペラ歌曲作曲多大な努力行ったにもかかわらずキュイ作曲家としてよりも批評家としてよく知られるようになっており、その批評仕事陸軍技術者堡塁建築専門家としてキャリア時間奪い合いとなっていた。バラキレフ音楽界から完全に身を引いてしまい、ムソルグスキーはますますアルコールへの依存の度を強めボロディン創作活動化学教授として公的な仕事比べていよいよ目立たないものとなっていた。 リムスキー=コルサコフのみが音楽専念して活発にキャリア積んでいたが、かつてチャイコフスキー批判されたのと似たような理由で彼も愛国主義同業者からの非難晒されることが増えていた。リムスキー=コルサコフチャイコフスキー同様、自身芸術家として成長衰えさせないためには、西欧古典形式技法学び習得しなければならない気付いていた。ボロディンはこれを「背教」と呼び、こう付け加えた。「コルサコフ背を向けたこと、音楽遺物の研究身を投じたことに心を痛める者が多い。私は嘆かない。それは理解できることであり(略)」ムソルグスキーはより手厳しかった。「ロシア5人組は魂のない反逆者たちへと堕落した。」 チャイコフスキー5人組面々分析する目は容赦のないものだった彼の観察には一部曲解先入観もあったと思われるが、明快かつ正鵠射た詳細語っている。リムスキー=コルサコフ襲った創作危機については非常に正確な見立て行ったまた、ムソルグスキー5人組の中で最も音楽才能恵まれているとしているが、チャイコフスキームソルグスキー独創性生み出す形式高く評価できなかった。その一方で彼はボロディン技術をひどく過小評価しており、バラキレフ対す評価は『ロメオとジュリエット』を彼の助力得て構想構成したことに照らせば当然あるべき高さに全く届いていなかったのであるチャイコフスキーはフォン・メックに宛ててロシア5人組は皆才能恵まれているが同時に自惚れを伴う「」と「自分たちの優位性に関する全くの愛好家的な自信」に「汚染されている」と書いている。彼は続いてリムスキー=コルサコフ直観音楽訓練へと方向転換したこと、そして現在状況改善しようという努力に関するやや詳しい内容へ入る。その後キュイを「才能ある好事家」と呼びキュイ音楽には「独創性はないが器用で上品である」と書く。ムソルグスキーは「望みのないケース」とし、才能勝っているが「思考の幅が狭く、自らの完璧目指そうという衝動持ち合わせない」。そしてバラキレフは「途方もない才能」を持つが、同時に「この奇妙な一団あらゆる理論の総発案者」として「多くの害をもたらし」たと断じた。

※この「ロシア5人組に対するチャイコフスキーの個人的懸念」の解説は、「チャイコフスキーとロシア5人組」の解説の一部です。
「ロシア5人組に対するチャイコフスキーの個人的懸念」を含む「チャイコフスキーとロシア5人組」の記事については、「チャイコフスキーとロシア5人組」の概要を参照ください。

ウィキペディア小見出し辞書の「ロシア5人組に対するチャイコフスキーの個人的懸念」の項目はプログラムで機械的に意味や本文を生成しているため、不適切な項目が含まれていることもあります。ご了承くださいませ。 お問い合わせ



英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「ロシア5人組に対するチャイコフスキーの個人的懸念」の関連用語

ロシア5人組に対するチャイコフスキーの個人的懸念のお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



ロシア5人組に対するチャイコフスキーの個人的懸念のページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
ウィキペディアウィキペディア
Text is available under GNU Free Documentation License (GFDL).
Weblio辞書に掲載されている「ウィキペディア小見出し辞書」の記事は、Wikipediaのチャイコフスキーとロシア5人組 (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。

©2025 GRAS Group, Inc.RSS