ロシアによる工作
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/06 00:07 UTC 版)
ソ連時代、東京のソ連大使館・通商代表部・アエロフロート航空支店・タス通信、ノーボスチの支局には、KGBあるいはGRUの工作官が多数駐在していた。また、日本人の身分を乗っ取り本人に成りすまして国内で活動する背乗りも黒羽・ウドヴィン事件であきらかとなった。ソ連による浸透工作や世論誘導などの間接侵略(シャープパワーも参照)が暴露された「レフチェンコ事件」や、それを裏付ける「ミトロヒン文書」などの情報によると、彼らはジャーナリスト・国会議員・自衛隊幹部・シベリア抑留者などを協力者として諜報活動を行っていた。表面化した諜報事件には防衛秘密の漏洩事件であるコノノフ事件、宮永スパイ事件、マチェーヒン事件などがある。 またKGB所属の国境警備隊は、漁船を買収した「レポ船」を使って北海道にイリーガル(民間人スパイ)を送り込んだ事が判明している。日本への領海侵犯事件では、ラズエズノイ号事件などの例がある。 ソ連が崩壊し、ロシア連邦となって以降も、SVR(KGBの後継組織)とGRUは諜報活動を続けている。とくに2000年にプーチンが大統領に就任して以降、諜報活動が活発化していることから、外事警察は、軍需産業に転用(デュアルユース)可能な科学技術や、「二島返還論」による温度差(分断工作)のため返還運動の分裂や退潮の可能性を孕む「北方領土問題」に対するロシアの外交官・情報機関員の活動を警戒している。また、ハイブリッド戦争やサイバー戦とみられるネット上での情報操作も活発化していることから、インターネット・リサーチ・エージェンシーなどの動向にも注意が必要である。 近年の諜報事件としては2000年に摘発されたボガチョンコフ事件、2005年に摘発されたサベリエフ事件、2006年に摘発されたペツケビッチ事件などがある。 「覇権主義」および「スパイ#ソ連・ロシア」も参照 表 話 編 歴 ソビエト連邦のスパイ アメリカ合衆国ロナルド・ペルトン / ハリー・ホワイト / クラウス・フックス / セオドア・ホール / ジョルジュ・コワリ / ローゼンバーグ夫妻 / デイヴィッド・グリーングラス(英語版) / オルドリッチ・エイムズ / ジョン・アンソニー・ウォーカー(英語版) / アルジャー・ヒス イギリスジョージ・ブレイク / ケンブリッジ・ファイヴ(キム・フィルビー / ドナルド・マクリーン / ガイ・バージェス(英語版) / アンソニー・ブラント(英語版) / ジョン・ケアンクロス(英語版)) / ルドルフ・アベル ドイツ赤いオーケストラ(ハロ・シュルツェ=ボイゼン(ドイツ語版) / アルヴィト・ハルナック(ドイツ語版)) / オットー・ヨーン / エドガー・フォイヒティンガー / リヒャルト・ゾルゲ 日本尾崎秀実 / 志位正二 / 朝枝繁春 / 宮城与徳 / 石田博英 / 勝間田清一 / 伊藤茂 / 上田卓三 / 山根卓二 / 野坂参三 / 三浦甲子二 / 山川暁夫 / 宮永幸久 その他ユーリー・ラストヴォロフ / スタニスラフ・レフチェンコ / リヒャルト・ゾルゲ / ゼエフ・アヴニ / アイノ・クーシネン / イレール・ヌーラン / レオポルド・トレッペル 表 話 編 歴 ロシアの諜報機関 旧KGB系連邦保安庁 (FSB) 対外情報庁 (SVR) 連邦警護庁 (FSO) ロシア連邦軍参謀本部情報総局 (GRU) 軍事測量局 (VTU) 過去に存在した組織 ソビエト連邦 共産党中央委員会国際部(ID-CCCPSU) ソ連赤軍参謀本部第2部(GRU) 赤軍参謀本部軍事測量部(VTU) スメルシ 国家保安委員会(KGB)前身:チェーカー→国家政治保安部 (GPU)→合同国家政治保安部 (OGPU)→内務人民委員部 (NKVD)、国家保安人民委員部(NKGB)→国家保安省(MGB) 関連組織コミンテルン ソ連情報委員会(KI) 軍事産業委員会(VPK) ロシア帝国内務省警察部警備局(オフラーナ)(前身:皇帝官房第三部) ロシア帝国憲兵団
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