ロケットの設計
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2018/02/04 17:16 UTC 版)
詳細は「OTRAG (ロケット)」を参照 OTRAGは従来の多段式ロケットとは大きく異なる設計だった。OTRAGの設計は平面の鏡板を備えたタンクの管の多数のロケットを並列に組み合わせたものであった。ロケットは一般的な通信衛星の重量である最大2トンの衛星を静止軌道へ投入するように設計された。計画では同一のモジュールを組み合わせて10トン以上の軌道投入能力を備える事も視野に入れていた。 ロケットは直径27cm、全長6mの個々の管によって構成されていた。これら4本の管にを1本に接合して上端に燃料と酸化剤タンクと下端にロケットエンジンを備えた結果、24mの長さになった。燃料はケロシンで硝酸と四酸化二窒素の50/50の混合物を酸化剤とした。点火は少量のフルフリルアルコールを燃料より先に噴射して硝酸と接触することで自己着火する事によって行う。ロケットの専門家によればこの推進剤の組み合わせは過去にも検討されたが、燃焼が不安定でポゴ振動が生じやすいため、従来のロケットでは使用されなかったが、OTRAGでは個々の推進剤のタンクが細長く容積が小さいため、ポゴ振動が発生しにくかった。簡略化された設計により、燃料のエンジンへの供給にポンプを使用せず燃料タンク内にはわずか66%までしか燃料を充填せず、圧縮空気を充填する事で推進剤をアブレーション冷却の燃焼室へ押し出す。推力制御は電気機械式推進剤弁で部分的に閉じることで行う。推進剤の供給弁の開閉制御にはワーゲンビートルのワイパー用のモーターが使用された。ピッチ軸とヨー軸は対角方向のエンジンの推力を増減する事で行う。この原理は信頼性が高く大量生産により廉価になる。 モジュラー設計を取り入れる事により規模の経済により大幅にコスト削減する事を目指した。CRPUを備えた人工衛星打ち上げロケットは従来の設計と比べて打ち上げコストを約1/10に引き下げる見込みだった。全ての構成要素の生産を自動化する事で人件費を20%から80%減らし、使用済みのロケットの再使用の正当性を除去した。
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