ロケットの燃料
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/11/10 02:03 UTC 版)
「タイタン (ロケット)」の記事における「ロケットの燃料」の解説
「ハイパーゴリック推進剤」も参照 ミサイルを格納する地下サイロのような閉鎖された空間では液体酸素の使用は危険で燃料タンクに注入された状態では長期の保管は不可能である。初期の大陸間弾道ミサイルであるいくつかのアトラスとタイタンIはサイロで爆発、破壊された。マーティン社は強化型のタイタンIIの設計において貯蔵に極低温貯蔵施設を必要とするRP-1/液体酸素の組み合わせから常温で貯蔵できる推進剤に変更した。いくつかの第1段ロケットエンジンは改造され使用された。 第2段の直径は第1段よりも大幅に増やされた。タイタンIIの自己着火性推進剤は燃料と酸化剤が接触するだけで点火するが、同時にそれらは毒性と腐食性が強い液体でもあった。燃料はエアロジン-50(ヒドラジンと非対称ジメチルヒドラジンの混合比が50/50の混合物)で、酸化剤として四酸化二窒素だった。 タイタンIIのサイロではいくつかの事故が起こり死傷者が出た。1965年8月、アーカンソン州のサーシーの地下ミサイルサイロ内で油圧系統を使用していた作業員が53人火災で死亡した。液体燃料のミサイルは毒性のある推進剤がもれる傾向が認められた。 1978年8月24日、サイロ内のミサイルから推進剤が漏れた事により1名が死亡した。後に他の基地で燃料が漏れたが閉鎖され死者はいなかった。 1980年9月、タイタンIIのサイロで作業員の不注意から工具を落下させたことにより、ミサイルの表面に穴が開いて推進剤が漏れ、点火して8,000 lbの核弾頭がサイロの外へ飛ばされた。数百フィート飛ばされて着地したが無害だった。この事故はタイタンIIをICBMとして使用することをやめるきっかけの一つとなった。
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