レベル2、未熟な防衛
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/30 16:25 UTC 版)
行動化(Acting out)- 抑圧された衝動や葛藤が問題行動として表出すること。具体的には性的逸脱行動、自傷行為、自殺企図、暴言、暴力、過食、拒食、浪費、万引き、薬物依存、アルコール依存などが挙げられる。 途絶(Blocking) 病気不安症(Illness Anxiety Disorder) - 深刻な病気への過度の心配や思い込みの状態 取り入れ(摂取, Introjection) - 投影と逆で、他者の中にある感情や観念、価値観などを自分のもののように感じたり、受け入れたりすること。特に他者の好ましい部分を取り入れることが多い。発達過程においては道徳心や良心の形成に役立つ。しかし度が過ぎると主体性のなさに繋がったり、他人の業績を自分のことと思い込んで満足する(自我拡大)、自他の区別がつきにくい人間となる。「相手にあやかる」。 シゾイド幻想(Schizoid Fantasy) - 内部や外部への葛藤を解消するため、妄想へと退化する 理想化 - 自己と対象が「分裂」している状態で、分裂させた一方を過度に誇大視して「理想化」すること。分裂されたもう一方は「脱価値化」を伴う。高次の「理想化」は、対象の悪い部分を見ないようにすることで自分の攻撃性を否認し、それに伴う罪悪感を取り去るのに対し、「原始的理想化」は、対象の悪い部分に破壊されないようにその部分を認識しないようにする。 受動的攻撃行動 - サボタージュ[要曖昧さ回避]など。 投影性同一視(Projective identification, 投影同一視、投影同一化) - スプリッティングが働いている中で、自分自身の悪い部分を相手の中に写し(投影)、相手を支配している、または傷つけていると感じること。その時に投影されている側の人間に、投影された「悪い部分」(憎しみや怒り、軽蔑など)の感情が生まれるという現象が起こる。 投影(Projection) - 自分自身の中にある受け入れがたい不快な感情を、自分以外の他者が持っていると知覚すること。例えば、自分が憎んでいる相手を「憎んでいる」とは意識できず、相手が自分を憎んでおり攻撃してくるのではないかと思い恐れる、自分が性的な欲望を感じている異性に対し、相手が自分に情欲を感じていると思い、「誘惑されている」と感じたりする。 退行(Regression)- 耐え難い事態に直面したとき、現在の自分より幼い時期の発達段階に戻ること。以前の未熟な段階の低次な行動をしたり、未分化な思考や表現様式となる。不安な時に他人の話を鵜呑みにしやすくなったりするのも退行の一種だが、これは「取り入れ」をよく用いる発達段階に戻ったことでおこる現象である。退行には「病的退行」以外にも「治療的退行」、「創造的退行(健康的退行)」などがある。病的退行は持続的な機能の低下を起こさせるが、治療的退行は治療を施したことにより表出する、一時的、可逆的な現象である。 身体化(Somatization) - 抑圧された衝動や葛藤が、様々な身体症状となって表れること。心気化。 希望的観測
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