ニホンカジカガエル(リュウキュウカジカガエル)
和名:ニホンカジカガエル(リュウキュウカジカガエル) |
学名:Buergeria japonica |
分布:琉球列島,台湾に分布する。 |
写真(上):ニホン(リュウキュウ)カジカガエル成体 |
説明 学名がjaponicaなのでニホンカジカガエルという和名だが,本土に分布するカジカガエルと混同されることが多いので,リュウキュウカジカガエルという名が提案されている。カジカガエルとは異なり,流れさえあれば,渓流だけでなく,林道のわだちやどぶにも産卵する。時には海岸のタイドプール近くの隆起石灰岩上の半海水に近いところにも幼生が見られる。繁殖期には雄は黄色くなる。また,褐色系とはいえ,さまざまな色彩の個体があり,赤土のようにかなり赤い個体も見られる。区別点:アイフィンガーガエルの項参照。鳴き声:カジカガエルを思わせる美声で,フィリリリ・・と鳴く。 |
リュウキュウカジカガエル
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/02/03 06:03 UTC 版)
リュウキュウカジカガエル | ||||||||||||||||||||||||||||||
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リュウキュウカジカガエル Buergeria japonica
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保全状況評価 | ||||||||||||||||||||||||||||||
LEAST CONCERN (IUCN Red List Ver.3.1 (2001)) ![]() |
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分類 | ||||||||||||||||||||||||||||||
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学名 | ||||||||||||||||||||||||||||||
Buergeria japonica (Hallowell, 1861) | ||||||||||||||||||||||||||||||
和名 | ||||||||||||||||||||||||||||||
リュウキュウカジカガエル | ||||||||||||||||||||||||||||||
英名 | ||||||||||||||||||||||||||||||
Ryukyu kajika frog |
リュウキュウカジカガエル(琉球河鹿蛙、Buergeria japonica)は、アオガエル科カジカガエル属に分類されるカエル。
2015年、オタマジャクシが水温40℃を超える温泉内に生息していることが確認された。「最も高温に耐えるカエル」として知られる[1]。
分布
種小名japonicaは「日本の」の意。旧和名はニホンカジカガエルだったが、カジカガエルとの混同を避けるため和名が変更された。
形態
体長2.5-3.5cm。オスよりもメスの方が大型になる。背面の皮膚には細かい疣がある。体色は灰褐色や褐色、黄色などで、ある程度の変色能力を持ち個体によっても体色に変異がある。背面にアルファベットの「X」字状の斑紋が入る個体もいる。後肢には暗色の横縞が入る。
分類
八重山列島と台湾の個体群は、従来リュウキュウカジカガエルとされていたが、2020年にヤエヤマカジカガエル(八重山河鹿蛙、Buergeria choui)として新種記載された[2][3]。
生態
低地から山地までの草原、森林、河川などの様々な環境に生息する。地表棲で、あまり樹上に登ることはない。夜行性。
繁殖形態は卵生。池沼、水溜り、排水溝、タイドプールなどに卵を産む。幼生は2-3か月で変態し、幼体になる。
温泉ガエル
台湾では、かつて同種とされたヤエヤマカジカガエルのオタマジャクシが数カ所の温泉に生息することが報告されていた。これらの個体群は耐熱性が高く水温も37°C前後を好んだことから、温泉に生息できると考えられていた。
2015年9月9日、口之島の地熱温泉であるセランマ温泉で温泉に生息するリュウキュウカジカガエルのオタマジャクシが発見された。生息している水域の最高水温は46.1°Cであったが、オタマジャクシは1匹しか見つからなかった。複数(少なくとも4匹)のオタマジャクシが見つかった水たまりの最高水温は41.5°Cであり、34.6~37.2°Cの水域に多く生息していることが確認された。
2016年には複数の個体群を調査し、耐熱性が島の個体群全体で維持されていることが確認された。島が小さく火山起源であることから、トカラ列島で自然に形成される水域は主に温泉に限られている可能性がある。そのため本種は高い耐熱性により温泉を繁殖の場として利用し、これらの島で生き延びることができた可能性がある[4]。
2016年に「最も高温に耐えるカエル」としてギネス世界記録に登録された[5]。
脚注
- ^ “【研究成果】温泉でくつろぐ日本のオタマジャクシ:湯の中でも生きられるカエルの幼生”. 広島大学 (2016年9月5日). 2025年1月30日閲覧。
- ^ “八重山のカエル2種の記載”. 琉球大学 富永篤研究室. (2020年8月30日). オリジナルの2022年5月29日時点におけるアーカイブ。
- ^ “八重山 カエル2種が新種と判明 独自の形成過程示す ヤエヤマヒメアマガエル ヤエヤマカジカガエル”. 八重山毎日新聞. (2020年9月5日). オリジナルの2020年9月22日時点におけるアーカイブ。
- ^ “Living in a Japanese onsen: field observations and physiological measurements of hot spring amphibian tadpoles, Buergeria japonica”. Brill (2016年9月13日). 2025年1月30日閲覧。
- ^ “Most heat-tolerant amphibian” (2016年). 2025年1月30日閲覧。
関連項目
参考文献
- 海老沼剛 『爬虫・両生類ビジュアルガイド カエル1 ユーラシア大陸、アフリカ大陸とマダガスカル、オーストラリアと周辺の島々のカエル』、誠文堂新光社、2006年、54頁。
- 千石正一監修 長坂拓也編著 『爬虫類・両生類800種図鑑 第3版』、ピーシーズ、2002年、309頁。
- 『小学館の図鑑NEO 両生・はちゅう類』、小学館、2004年、53頁。
外部リンク
- IUCN Red List - Home Page -
- Lue Kuangyang, Chou Wenhao, Yoshio Kaneko, Masafumi Matsui 2004. Buergeria japonica. In: IUCN 2009. IUCN Red List of Threatened Species. Version 2009.1.
固有名詞の分類
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