ユニバーサルによる控訴
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/23 21:15 UTC 版)
「ユニバーサル・シティ・スタジオ対任天堂裁判」の記事における「ユニバーサルによる控訴」の解説
ユニバーサルは判決を不服としてアメリカ合衆国第2巡回区控訴裁判所(英語版)に控訴した。1984年5月23日に任天堂とユニバーサルは控訴審で争った。ユニバーサルは消費者の間で混乱が起きている証拠として、『ドンキーコング』のアーケードゲーム機を所有、またはリースしたゲームセンター、ボーリング場、ピザレストランの経営者またはオーナー150人を対象とした電話調査の結果を提示した。「あなたが知る限り、『ドンキーコング』のゲームは、『キングコング』の映画製作会社の承認または権限の下で製作されたと思うか?」という質問に対して、調査対象者の18%が肯定的に答えた。しかし「あなたが知る限り、『ドンキーコング』を製作しているのはどこか?」という質問に対してはユニバーサルを挙げた者はいなかった。ユニバーサルは、これは消費者が2つの名前の区別に混乱していることを示すのに十分な証拠であると主張した。 彼らはまた、ドンキーコングとキングコングが混同されているケースが増えているとして、印刷媒体から6つの例を挙げた。例えば『Videogaming Illustrated』の1982年10月号には「話題のドンキーコングの説明として女性に好意を抱いた他のゴリラの例について見てみよう。その中で有名なのはキングコングであり、ビデオの悪役と多くの共通点を持っている」とあった。もう一つの例はCraig Kubeyの1982年の『The Winner's Book of Video Games』で、「ドンキーコングは古典映画のキングコングのビデオ版である」と記述してあった。 1984年10月4日の判決で、裁判所は前回のものを支持した。裁判所は「この2つの媒体には、ゴリラ、捕らえられた女性、男性の救助者、そして建物のシナリオ以外に共通点はない」と断言した。さらに裁判所は「"コング"及び"キングコング"の名前は一般に広く人々に使われており、類人猿やその他の巨大なオブジェクトと関連付けられている」と判決を下した。また、ユニバーサルの調査内容については、ユニバーサルが「キングコングが、その腕でフェイ・レイ(あるいはジェシカ・ラング)を掴み、エンパイア・ステート・ビル(あるいはワールドセンタービル)を登っていくイメージ」を所有していないことや、ドンキーコングのゲームをすでに所有している人の意見を募っただけで、潜在的な顧客の混乱を立証するものではなく、説得力がないと判断している。最後に、調査は「明らかに答えを誘導する質問であり、自分たちが望むものを示唆していた」と指摘した。 ユニバーサルが示した印刷媒体の例示について裁判所は、 ユニバーサルが引用した内容について、『ドンキーコング』のテーマが『キングコング』の映画を大まかに連想させていたことは認める。しかし、いずれの記述も『ドンキーコング』が『キングコング』の商標権を有する会社と関連しているという印象を著者が抱いていたことを示唆するものではない。 — Second Court of Appeals, 1984, 119. 裁判所は一部の消費者が2つの名前について混乱している事実には同意した。「しかし、いくらかの混乱した消費者がいるかもしれないという事実は、略式判決が不適切であった可能性について争う問題点にはならない」として主張を退けた。
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