ユニバーサルインフルエンザワクチンの開発
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「インフルエンザワクチン」の記事における「ユニバーサルインフルエンザワクチンの開発」の解説
インフルエンザワクチンは、2017年現在の技術では、各半球の各インフルエンザ流行期に合わせてそれぞれ内容を調整して製造しなければならない。このような必要がなく、すべてのインフルエンザ株に効果のあるワクチン「ユニバーサルインフルエンザワクチン」を開発することができれば、ワクチンの供給を安定させ、ウイルスの変異を原因とするインフルエンザのパンデミックを防ぐことができる様になる。そのため、何十年にもわたって研究の対象となってきた。 この「ユニバーサルインフルエンザワクチン」を実現させるために、現在のワクチンが標的としているウイルス抗原(HAヘッド)ではなく、抗原変異が起こらない別の抗原部位(HAストーク)を標的にしてワクチンをつくるというアイデアがある。 2009年には、世界インフルエンザワクチン会議(IVW2009)において、インフルエンザウイルスの3種類のタンパク質から、変異しない特定の領域9カ所を連結した遺伝子組み換えワクチンが「ユニバーサルインフルエンザワクチン」として発表された。その後、2015年にも別の手法によって作成したワクチンのマウス実験の結果が発表されている。 しかし、いずれの感染防御効果もいまだ実用段階には至っていない。また、そのほか期待されている方法として、免疫系による免疫応答を利用して抗体を生成するワクチンシステムではなく、中和抗体を使用する方法が提案されている。
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